文献詳細
文献概要
特集 いかに創薬を進めるか
ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン
著者: 田中利男12
所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学 2三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター
ページ範囲:P.297 - P.299
文献購入ページに移動21世紀の本格的ゲノム創薬時代に突入してからも,難治性疾患(アンメットメディカルニーズ)に対する画期的治療薬(first-in-class)開発は,困難を極めている。一方,この困難な時代において,見事に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)に承認された新薬を解析すると,62%の画期的新薬は,フェノタイプスクリーニングにより見いだされていることが明らかとなった1)。ゼブラフィッシュ創薬は,ハイスループット
実際,欧州では2008年からはラットを抜いて,ゼブラフィッシュがマウスの次に頻用されているモデル生物となり,国際的メガファーマも薬効・安全性研究でゼブラフィッシュを積極的に活用している。ゼブラフィッシュフェノタイプスクリーニングが著効した成功例として,画期的医薬品のORC-13661など3)やドラッグ・リポジショニング(drug repositioning)が報告されている。これらの事例により,今後,創薬全体への影響が明らかになるであろう2)。
参考文献
掲載誌情報