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文献詳細

雑誌文献

生体の科学69巻4号

2018年08月発行

文献概要

特集 いかに創薬を進めるか

ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン

著者: 田中利男12

所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学 2三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター

ページ範囲:P.297 - P.299

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Ⅰ.ゼブラフィッシュ創薬の急激な展開
 21世紀の本格的ゲノム創薬時代に突入してからも,難治性疾患(アンメットメディカルニーズ)に対する画期的治療薬(first-in-class)開発は,困難を極めている。一方,この困難な時代において,見事に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)に承認された新薬を解析すると,62%の画期的新薬は,フェノタイプスクリーニングにより見いだされていることが明らかとなった1)。ゼブラフィッシュ創薬は,ハイスループットin vivoフェノタイプスクリーニングを可能にし,現在グローバルな創薬戦略にインパクトを与え,明白なパラダイムシフトが実現している2)
 実際,欧州では2008年からはラットを抜いて,ゼブラフィッシュがマウスの次に頻用されているモデル生物となり,国際的メガファーマも薬効・安全性研究でゼブラフィッシュを積極的に活用している。ゼブラフィッシュフェノタイプスクリーニングが著効した成功例として,画期的医薬品のORC-13661など3)やドラッグ・リポジショニング(drug repositioning)が報告されている。これらの事例により,今後,創薬全体への影響が明らかになるであろう2)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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