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文献概要
特集 いかに創薬を進めるか
次世代創薬シミュレーション
著者: 荒木望嗣1 奥野恭史2
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科味覚分子構造科学講座 2京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野
ページ範囲:P.310 - P.314
文献購入ページに移動その一方で,近年,スーパーコンピュータの演算性能は年々向上しており,わが国でも,「京」コンピュータの後継機であるポスト「京」の開発・整備が現在進められている。また,ソフトウェアの進歩も目覚ましく,囲碁でプロ棋士に勝ち越した人工知能(Google AlphaGo1))を筆頭として,次世代の計算技術が日々誕生して様々な分野で活躍し始めている。したがって,スーパーコンピュータや人工知能を駆使することで,これまでよりもはるかに高精度かつ高速な創薬計算が可能になると期待される。そこで本稿では,まず,ポスト「京」のスケールメリットを最大に活かし,膨大な候補化合物と複数の創薬標的タンパク質から成る大規模な組み合わせのなかから,特定のターゲット疾患に最適な医薬品候補化合物を予測する革新的創薬基盤の開発プロジェクトについて紹介する。続いて,創薬に人工知能を役立てるために設立,活動を行っているAI創薬の産学連携コンソーシアム「Life Intelligence Consortium(LINC)」の取り組みを紹介する。
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