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特集 いかに創薬を進めるか
文献概要
DNAの遺伝情報はRNAを介してタンパク質へ伝達され,タンパク質が生命維持の中心的な役割を果たす。この考えは,1958年にCrickによって提唱され,セントラルドグマと呼ばれる1)。1990年には,ヒトの遺伝情報が書かれているDNAのすべての塩基配列を読解しようとするヒト・ゲノムプロジェクトが開始された。2003年にはこのプロジェクトが終了し,ヒトの遺伝子数は予想に反してはるかに少なく22,000程度であることが明らかとなった。これは,ヒトゲノムのわずか2%程度であり,残りの98%は不要なnon-coding領域と考えられていた。しかし,近年のRNA研究により,non-coding領域の大部分のDNAは,実際にはRNAとして転写され,生成したnon-coding RNA(ncRNA)自体が様々な機能を示すことがわかってきた2)。
参考文献
. 12:138-163, 1958
2)Watson JD:DNA:The Secret of Life, Alfred a Knopf, Inc., New York, 2003
. 391:806-811, 1998
. 15:188-200, 2001
. 17:1974-1981, 2009
. 17:398-408, 2010
. 21:4494-4501, 2013
(Camb). 47:2691-2693, 2011
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