文献詳細
増大特集 タンパク質・核酸の分子修飾
Ⅰ.細胞核での分子修飾 ヒストン/核内タンパク質
文献概要
ヒストンを含む細胞内タンパク質のメチル化は,主にリシン残基とアルギニン残基に修飾される。ヒトのタンパク質に含まれるリシンまたはアルギニン残基のうち,およそ4,000個の残基がメチル化修飾を受けるとされている。リシン残基のメチル化は,S -アデノシルメチオニン(SAM)を用いることで,リシン特異的なメチル基転移酵素(PKMTs)によりモノ,ジ,トリの3種類の修飾がなされる。アルギニン残基のメチル化は,SAM依存的にモノ,ジメチル化(ジメチル化のなかに,1つの窒素原子に触媒される非対称的性ジメチル化と,2つの窒素原子に触媒される対称的性ジメチル化が存在する)の修飾がなされる。これらのメチル化は,発生特異的に一時期に施されるものから,細胞の代謝を維持するものまで,細胞内活動に幅広く関与している。
参考文献
. 2018 Jun 21. doi:10.1021/acs.chemrev.8b00008.[Epub ahead of print]
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