文献詳細
文献概要
特集 細胞高次機能をつかさどるオルガネラコミュニケーション Ⅱ.ゴルジ体およびポストゴルジネットワーク
細胞の極性輸送のメカニズム
著者: 原田彰宏1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科細胞生物学
ページ範囲:P.560 - P.563
文献購入ページに移動 腸の表面などを覆う上皮細胞はアピカル(apical)面(腸では内腔に面する側),バソラテラル(basolateral)面(腸では血管などに面する側)という方向性(極性)を持つ。極性を持つ細胞においては,色々なタンパク質が細胞内で,方向性のある輸送(極性輸送)によって目的地に運ばれる。国内外での細胞極性の研究は,これまでは主に培養細胞(特にイヌ腎尿細管由来のMDCK細胞)を用いて調べられ,バソラテラル面へ輸送されるタンパク質ではバソラテラル面へと運ばれるために必要なシグナル(アミノ酸配列)が同定された。しかし,アピカル面への輸送には糖鎖修飾や脂質(ラフト)との相互作用が選別に重要という結果は得られているが1,2),アピカル面へ輸送されるタンパク質のシグナルやどのようなタンパク質がそれを認識し,輸送や選別を行うかといった詳細な分子機構は解明できていない。
参考文献
.21:147-152, 2003
. 25:1375-1386, 2014
. 11:1444-1450, 2001
. 3:140-149, 2001
. 104:313-320, 2001
. 10:1685-1695, 2009
. 192:631-645, 2011
. 26:3737-3748, 2007
. 390:551-556, 2009
. 9:2206-2220, 2008
. 13:433-442, 2012
. 149:901-914, 2000
. 18:2687-2697, 2007
. 448:366-369, 2007
. 212:297-306, 2016
掲載誌情報