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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻1号

1955年08月発行

文献概要

巻頭

生字引と独創

著者: 守山英雄1

所属機関: 1湘南衞生研究所

ページ範囲:P.1 - P.1

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 近頃の知名国立大学の入試問題はいかにもむずかしい。今筆者がかりに入試に応じたとしたらとても入れる見こみはない。筆者が学校を出てから30年近くも直接あるいは間接にそれに関係してきた生物や化学の問題すらも,半分ぐらいしかできそうもない。
 多年専門に勉強してきた男が,それがいかに鈍才であるにせよ,完全には解き得ないような難問を解いて,あつぱれ入学の栄冠をかち得る近頃の若人のいかに恐るべき存在であることか,かような博覧強記の生字引的の秀才が今後の日本を背負つて立つことになるであろうことは,まことによろこぶべきことではある。──といゝ度いが,少くとも自然科学者としての立場から,それが果して手放しに喜んでいいかどうかには疑問がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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