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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻1号

1955年08月発行

文献概要

論述

光電測光法による血色素の測定

著者: 河内虎男1

所属機関: 1三井産業医学研究所分光化学研究室

ページ範囲:P.10 - P.32

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 Ⅰ.ヘモグロビン
 哺乳類のヘモグロビンは1原子の鉄を含むヘム(ferroprotoporphyrin)と蛋白質グロビンとが1分子づつ結合した単位分子4箇からできていると考えられている色素蛋白(chromoprotein)である。
 Svedverg,Fahraeus1)の超遠心器による沈降測定より計算されたヘモグロビンの分子量は66,800である。ヘモグロビン単位分子は1原子の鉄を含み,かつ1分子のO2またはCOと結合する。Hüffner2)によればヘモグロビンの鉄含有量は0.334%,1グラムのヘモグロビンと結合しうるO2,COは1.34mlであり,Bernhart,Skeggs3)による人のヘモグロビンの鉄含有量0.34%よりすれば,1グラムのヘモグロビンの結合しうるO2,COは1.36mlとなる。鉄の原子量を55.85として鉄含有量からヘモグロビン単位分子量を求めると前者から16,721後者から16,426をえる。しかし普通にはヘモグロビン単位分子量として16,700が使われることが多い。従つて鉄1グラム原子,O2,COまたはポルフイリンの1モルに対する当量濃度として1リツトル中にヘモグロビン単位分子の1グラム分子を含む溶液(16,700g/l)をヘモグロビンの1モル溶液,その1/1,000濃度のものを1ミリモル(mM)として表示される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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