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ヒスチジン甲状腺に関する知見補遺—とくにウロカニン酸とⅠ131との関係
著者: 新井恒人1 末廣励1
所属機関: 1和歌山県立医科大学病理学教室
ページ範囲:P.39 - P.42
文献購入ページに移動しばしば報告したように,ウナギに塩基性のアミノ酸ヒスチジンを長期にわたつて投与すると,高度の実質性甲状腺腫,いわゆるヒスチジン甲状腺腫の発生がみられ,この成因機構の説明として,著者の1人新井は,血中ヨード捕捉説ないし生体内ヨード結合説を提唱した。すなわち,ヒスチジンの投与により,生体内において中間代謝産物ウロカニン酸を生じ,このウロカニン酸のアクリール酸の不飽和二重結合に,血中ないし生体内のヨードが捕捉結合され,そのために生体内の比較的ヨード欠乏状態をきたし,甲状腺ホルモン産生に要するヨードの不足に適応して,したがつてヨードの欠乏説に立脚して,甲状腺の実質性肥大,ないし実質性甲状腺腫を発生することを述べた。そして,ヨード剤投与による抑制実験から,この考えの合理的であることを確かめた1〜5)。
この憶説をより裏書するため,in vitroでウロカニン酸とヨード,およびヒステジンとヨードとの結合実験を試み,同時に,ヒスチジンあるいはウロカニン酸投与ウサギに,ヨードをあたえた場合の,尿中ヨードの消長を定性的にしらべた。
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