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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻2号

1955年10月発行

論述

ムコ蛋白と癌—Sialoproteinを中心として

著者: 鶴見膠一1

所属機関: 1福島県立医科大学生化学教室

ページ範囲:P.88 - P.97

文献概要

 はじめに
 さきに東北大学の正宗教授が"ムコ蛋白とムコ多糖類の生理"と題して本誌1)に述べられた際,ムコ蛋白の名称を従来の複合蛋白体の1つとしての糖蛋白体(Glycoprotin)と同義に用いられたが,K. Meyer2)の分類に依るとウロン酸とヘキソサミンを含む酸性多糖類は"ムコ多糖類"の項に分類し,ウロン酸を含まない,ヘキソサミン含量4%以上の糖蛋白体をムコ蛋白又はムコイドと称し,4%以下含有の蛋白をグリコプロティンとした。これよりさきBlix3)は1940年"Studies on Glycoprotein"という論文に於いて糖蛋白体の分類を提出し,所謂Glycoproteinを2大別してNeutroglycoproteinとAcidoglycoproteinとし,後者を4つのSubgroupに分類した。即ち 1)Chondroproteins 2)Hyaloproteins 3)Sialoproteins 4)Mucoproteinsに分類し,ムコ蛋白という名称をムコイチン硫酸と蛋白の複合体に与えたが,この意味でムコ蛋白の名が今日用いられることはないようである。ここではムコ蛋白という名称をMeyerの意味に於いて用いることとする***

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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