icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻3号

1955年12月発行

文献概要

論述

骨髄及び脾臟の血液凝固促進因子

著者: 牧野堅1

所属機関: 1慈恵医科大学医化学教室

ページ範囲:P.121 - P.123

文献購入ページに移動
 1932年斎藤1)は家鶏の長管状骨の骨髄より得た抽出液に血液凝固促進作用のあることを見出し,骨髄は斯かる作用を有するホルモン様物質を分泌するのではないかと考えた。其の各骨髄抽出液は臨床上にも血液凝固剤として作用される様になつた。しかし其の有効成分の化学的本質は今日迄明かにされていなかつた。そこでこの問題を教室の洪礼郷君2)に研究する様に課した所以下述べる様な事実が明らかになつた。さて本研究に於て私共が実験材料としたものはmedullanと云う製剤であるが,又次の様にしてつくる事も出来る。先ず新鮮な家鶏の長管状骨の骨髄を取り出し,脂質をアルコール,アセトン,エーテルで除いた後,生理的食塩水で抽出し,抽出液にズノヒフオサリチール酸を加えて除蛋白し濾液から過剰のズルフオサリチール酸を除いたのち濾過するのである。さてメヅラン1ccを体重2.3〜2.5kgの家兎に注射し凝固時間をSahli-Fonio法の田中氏変法3)を用いて調べて見ると正常では19.5分位のものが11〜12.5分位になり明らかに短縮する。よつてメヅラン注射液40ccを50℃で減圧濃縮し最後に真空乾燥器の中で乾固し無機塩類を取るために繰返えしアルコールで処理し,それによつて得られたアルコール溶液を合しこれを濃縮して0.2ccにする。そして有効成分がどの様な部分に含まれているかを研究するためにこれをペーパークロマトグラフイー(PPC)で分劃して見た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら