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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻3号

1955年12月発行

文献概要

報告

動物試験による運動失調症の研究

著者: 清原迪夫1

所属機関: 1東京大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.152 - P.157

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 Ⅰ.緒言
 生体における運動の調節機序に関して,求心性インプルスの果す役割の重要性については,古くから数々の業績1)が知られており,殊に合目的的な運動の発現系は,運動神経系と感覚神経系の働きとの協調をまつてはじめて可能である。Charles Bell2)の"circle of nerves"という表現をかりるまでもなく,運動系は求心性神経活動の径路(フイードバック回路)と複雑な閉回路をつくつている。筋運動についていえば,運動系の末梢効果器の中にあつて,筋收縮の様相を検出する受容器──筋紡錘,腱受容器──からの求心性インフオーメイシヨンを受けて,反射的に調整されて意志命令に従つた運動が遂行されるわけで,これらの閉回路による自動制御的機序のもとに,運動が起つているとみられる。この"神経の環"のどこがの回路が切断されるとき,運動が全然起らなくなるか,或は起つても合目的的でなくなる所謂運動失調状態になる。最近電気生理学の進歩に伴つて,筋紡錘などの固有受容器の機能的役割が詳かにされ3)4)5)6),随意運動のサーボコントロールの様式が次第に明らかにされてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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