icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻4号

1956年02月発行

巻頭言

巻頭言

著者: 高橋吉定1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.175 - P.175

文献概要

 わたくしは臨床医である。したがつて基礎医学に対しては,それに直接携わる研究者とは,少しちがつた角度からの希望がある。
 わが国でも基礎医学においては,独創的なすぐれた業績がつぎつぎとあらわれ,日本の医学を世界的に推進させていると話してくれた人がある。なるほどそれらの仕事の解説をきくと,りつぱなもののような気もする。しかしそれはしよせん,おいしそうな御馳走を望遠鏡でのぞかせられたようなもので,わたくし自身の身にはならないのである。そんなに極上でなくてもよいから,実際にほおばれるもののほしいというのが,臨床家の真情である。ところが,事実はあまりに遠方に並べられた美味ばかりで,食用としては役にたたず,鑑賞用にしかならないものが大部分である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら