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論述
動物の無菌飼育装置の研究
著者: 谷川久治1 田波潤一郞1 戸叶公明1
所属機関: 1千葉大学医学部衞生学教室
ページ範囲:P.235 - P.240
文献購入ページに移動動物の無菌飼育は最近各方面から注目されてきたようである。これを細菌の側から見れば,無菌動物の腸管を生きている培地と徹し,単一菌株の生体内増殖現象を明確に知る方法とすることが出来るが,生体側から見れば,無菌飼育は複雑な腸内細菌の如きものゝ動物体に対する影響を,順次分析的に研究する唯一の実験方法ということが出来よう。
腸内細菌研究の立場から考えると,無菌飼育に於て次の点が主要な課題となると思う。即ち腸内細菌の各個又はその組合わせが発育や一般状態に及ぼす影響,つまり生体に対する生理的作用,これを更に分析して,消化管に於ける消化,吸收に及ぼす作用や,ビタミンの合成,腸内の腐敗作用,有毒物質の抽出等に進め得る。次に腸用,内細菌特に大腸菌や腸球菌等の初感染の問題や,菌交代現象の研究がある。
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