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綜説
酸化還元電位の意味するもの
著者: 押田勇雄1
所属機関: 1小林理学研究所
ページ範囲:P.282 - P.289
文献購入ページに移動 生体酸化還元の問題は,生体における多くの複雑な現象のうちで,最も早く現代物理化学の光を浴びる部分の1つであると私は信じている。それは後者の根幹をなしているエネルギー論に直接つながるものであるからである。最近10年の生化学,生理学のこの方面におけるはなばなしい進歩は,ますますとの感を強める。生体酸化還元の機構が本当に明らかになつた時には,生化学者や生理学者のみならず化学者や物理学者でさえもそのことから何か大きなプラスを得そうな気がする。その日が早く来るようにと念じながら話を進めよう。
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