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紹介
Adrenochromeとその誘導体の生体に対する影響
著者: 田多井吉之介1
所属機関: 1国立公衆衛生院生理衛生学部
ページ範囲:P.296 - P.301
文献購入ページに移動 近年ヨーロツパとくにベルギーを中心にして,アドレナリンの酸化物であるadrenochromeおよびその誘導体の生体反応に及ぼす影響に関する研究が盛んである。しかしながら,日本ではごく最近までこれを入手することが困難であつたため,これに関する報告は殆んど見出されなかつたが,幸い現在これがえられるようになり,臨床的応用の道も開かれたので,この機会に,adrenochromeおよびその誘導体の生体に対する影響を,生理病理学的立場から紹介することも決して無意義ではあるまい(日本におけるadrenochromeに関する紹介は,おそらく本年の春あらわれたとの(医学のあゆみ(19:211)が最初のものと思われるが,これは化学に重点を置いて述べられている)。
アドレナリンからadrenochromeへアドレナリンはbicarbonate bufferがあると,酸化剤のいかんに関せずadrenochaomeになるが,ノルアドレナリンは多少異り,K3Fe(CN)6を酸化剤に用うる時のみnoradrenochromeになると報告されている(Chaix & Pallaget'52)。
アドレナリンからadrenochromeへアドレナリンはbicarbonate bufferがあると,酸化剤のいかんに関せずadrenochaomeになるが,ノルアドレナリンは多少異り,K3Fe(CN)6を酸化剤に用うる時のみnoradrenochromeになると報告されている(Chaix & Pallaget'52)。
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