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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻8号

1956年10月発行

文献概要

巻頭言

專門分野の連繋

著者: 島薗順雄1

所属機関: 1東大生化学

ページ範囲:P.369 - P.369

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 生理科学は,理科,農科,医科,薬学にまたがつているから,これら各分野の間に緊密な連繋が保たれることが学問の発達上きわめて重要なことはいうまでもないが,その実現がなかなかむつかしい。同じ医学の中でも基礎医学と臨床医学,更にその中の各分野が独立分化して連結がむつかしい。この問題は教育の方法についても考えられる。各分野の專門家がその專門科目の重要性のみを知つて他の分野との連繋に思いを致さないために,学生は徒らに過重の負担にあえぎ,範囲の狭い教育を受けることになる。わたくしどもは研究や教育の上で各分野の連繋を密にするために,どのような方法をとるべきであるか,思いをひそめなければならない現状である。ここにわたくしが最近欧米を視察して来た記憶の中から,この点について一二参考となるものを述べて見たいと思う。
 ClevelandのWestern Reserve Universityが4年前から実施している医学教育の方法は,世の注目をひいているもので,わが国にも既に何人かその実際を見て来られた人々がある。この教育の方法は,1年をPhase ⅠとしてBasic Science(組織学,生化学,生理学と解剖学の一部)にあて,次の1年半をPhase ⅡとしてMedicalScience(病理学,微生物学,薬理学,解剖学)にあて,次の1年半をPhaseⅢとして臨床にあてている。PhaseⅠでは授業がたとえば次のような項目について行われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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