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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻8号

1956年10月発行

文献概要

論述

哺乳動物心室筋の細胞電位

著者: 松田幸次郎1 星猛1 亀山重徳1

所属機関: 1東北大学医学部応用生理学教室

ページ範囲:P.379 - P.391

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 はじめに
 心筋の電気発生の問題は心電図解釈の基礎となるばかりでなく,もつと一般的に刺激生理学としても重要な又興味あるテーマである。殊に近年発達した超微少電極(Ling & Gerard11))を用いて単一細胞より膜電位を誘導する方法は心筋発電の最も根源的な姿を知らしめるもので,その知見のもつ意味は大きい。殊に哺乳動物の心臓に於ては,心室は発電部として最強力であるから心室筋についての研究が重要となる。
 哺乳動物心室筋膜電位に関する研究としては,従来とも犬の乳頭筋10)及び犬,牛,羊のPurkinjeFiber(False Tendon)5)に関する報告がある。心室筋の中でとくにこのような特殊部位が用いられた主な理由は,この2つの部分は興奮に際して動きが比較的小さいのと,創面の少ない標本を切り出し易いからであろう。然しFalse Tendonは刺激伝導系の一部であり,本来の心室固有筋とは若干異なつた組織と見なければならぬ。又自動性興奮を示すから,自動性の研究そのものには適しているが,以下に報告する様な刺激頻度を制御して観察しようとする実験には都合が悪い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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