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論述
圧反射より見た腎機能
著者: 中根公正1 新田貴一1 村田和子1
所属機関: 1福島県立医科大生理学教室
ページ範囲:P.392 - P.403
文献購入ページに移動膀胱を人工的に膨大し,膀胱内に存在すると思われる圧受容器を刺激した場合に,反射的に全身の自律神経機能に種々なる影響を与える。この点に就いてはここ数年来種々の面から追求して来た。その反射の起り方に関して,高木1)等のいう皮膚の圧受容器よりの反射と同じような結果が得られている。例えば,膀胱を人工的に膨大すれば,血圧の変動が起る。犬では一般に上昇し,兎では下降が起る。同時に脈搏数は犬で減じ,兎では増加する。また「ふるえ」,眼盪等の律動性の運動に対しても一般的に抑制を起し,また腸管の運動に対しても抑制を惹き起すことなどの事実を証明して来た。その後膀胱膨大が,頸動脈洞加圧と同様に,腎機能に強く影響し,これらの場所に分布する圧受容器に適刺激を加え,この際起る排尿の変化,及び同時に起る血圧の変化から,腎機能を追求した。
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