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文献詳細

雑誌文献

生体の科学7巻8号

1956年10月発行

文献概要

報告

Actomyosin系に対するThoulet's Reagentの作用—(Ⅲ)Actomyosin溶液に対するThoulet's Reagentの作用

著者: 落合倜1

所属機関: 1札幌医科大学生理学教室

ページ範囲:P.404 - P.407

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 現在筋肉の収縮及び弛緩に対するActomyosin(以下AMと略す)-adenosinetriphosphate(以下ATPと略す)系の反応機作に関する諸家の見解は,次の二つに大別する事が出来る。即ち一つはWeber1),Bozler2),Mommaerts3),永井4)らのpreenergizationの立場であり,他の一つはSzent-Györgyi5),Morales6),らのpostenergizationの立場である。後者の見解をとるMoralesは,Thoulet's reagent(以下T. R. と略す)によつてglycerol筋が短縮するというLaki7)らの報告を重要視して,この事実はAM系の収縮がATP以外の物質によつても起り,ATPの分解energyを特に必要としないentropic-electrostaticな機構に基ずくという自己の見解の裏ずけをなすものであると述べている。こゝに於て著者はT. R. によるglycerol筋の短縮がMoralesのいう如くATP収縮と同一に論じられるべき性質のものであるか否かを明かにするために前報8),9)に於て先ずglycerol筋に対するT. R. の作用を詳細に検討した結果,種々なる点でATP収縮とは異るものである事が明かになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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