文献詳細
報告
哺乳動物心筋膜電位研究用電子回路
著者: 桜井隆1 星猛1 亀山重徳1 松尾正之2
所属機関: 1東北大学医学部応用生理学教室 2東北大学電気通信研究所
ページ範囲:P.439 - P.445
文献概要
最近電気生理学の分野で超微小電極(Ling and Gerard)が盛んに使用される様になつて来たが,周知の如く超微小電極用増幅器には次の様な条件を満たすことが必要と考えられる。まず使用する電極の抵抗が非常に高いので(10〜数10MΩ)増幅器初段の入力抵抗が充分高いことが要求される。又この様な高い抵抗の電極を使用する際には,入力の浮遊容量によつて高周波特性が劣化する為,早い立ち上りを有する活動電位に充分追従できなくなるから,極力入力容量の影響を避けなければならない。更に静止電位を長時間に亘つて観察する必要も往々有るので極めて安定な直流増幅器であることが望まれる。尚一般的な要求としてできるだけ安価で回路も単純な容易に組立てられるものであることが望ましい。
Nastuk and Hodgkin1)は,この様な諸条件を比較的良く満足する回路としてcathode follower方式を採用したが,cathode followerに於ては,格子,陰極間の容量が1/1+μ(μは増幅定数)となること,及び出力インピーダンスが低いことなどの理由から高周波特性向上に有効となる。然しcathode followerは単管では安定度が悪いために古河2)は,更にこれをpush pullにし安定度の向上を図つている。
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