文献詳細
特集 免疫系を介したシステム連関:恒常性の維持と破綻
特集「免疫系を介したシステム連関:恒常性の維持と破綻」によせて フリーアクセス
著者: 生田宏一1
所属機関: 1京都大学ウイルス・再生医科学研究所免疫制御分野
ページ範囲:P.80 - P.80
文献概要
あらゆる組織において免疫細胞が一定の役割を担っているために,医学のすべての診療科において免疫疾患が存在する。したがって,免疫系は生命科学・医科学を横断的につなぐ横糸のような存在である。近年まで,免疫学の研究は,多様性・抗原認識・免疫制御・免疫記憶などの免疫系に固有の課題に関するものが中心であったが,近年は中枢神経系・骨軟骨系・代謝系・腸内細菌などと免疫系のかかわりについての研究が大いに進展している。特に最近では,末梢神経・内分泌・概日リズムなど今まで手がつけられていなかった領域にも免疫学研究が進んできている。免疫系がどのように横糸として機能しているか,今まさに解き明かされようとしているといえる。
掲載誌情報