文献詳細
特集 免疫系を介したシステム連関:恒常性の維持と破綻
Ⅳ.免疫細胞における代謝調節
文献概要
リンパ球の一種であるT細胞の老化・疲弊は,加齢関連疾患の発症の大きなリスクファクターとなる。よって,T細胞老化・疲弊誘導の分子機構を理解することは,加齢関連疾患の発症予防や新規治療法の開発につながると考えられる。T細胞は,T細胞受容体(T cell receptor;TCR)を介し抗原を認識したのち,エフェクターT細胞へ機能分化する。その際,T細胞は細胞内の代謝状態を劇的に変化させることがわかってきている。代謝変化は老化・疲弊を含むT細胞の運命決定にかかわることが予想されるものの,その詳細な役割は不明である。そこで本稿では,筆者らの検討結果と最近の知見を中心にグルタミン代謝調節によるT細胞老化・疲弊誘導制御の可能性について述べる。
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