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文献詳細

雑誌文献

生体の科学70巻4号

2019年08月発行

文献概要

特集 メカノバイオロジー Ⅰ.細胞・組織の力学特性の計測

AFMによる1分子レベルのメカノトランスダクション機構の解明

著者: 牧功一郎123 安達泰治4

所属機関: 1日本学術振興会 2東京大学大学院工学系研究科 3ヘルシンキ大学HiLIFE研究所 4京都大学ウイルス・再生医科学研究所

ページ範囲:P.267 - P.272

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 メカノセンサー分子は,機械的な力のもとでその立体構造(コンフォメーション)を変化させ,細胞内の生化学的シグナルを誘導する分子である。例えば,細胞膜上に存在する機械受容チャネルは,膜張力に応じてカルシウムイオンの透過性を調節することが知られる。また,細胞の接着構造に存在する幾つかのタンパク質は,張力のもとでその一部がほどけ(アンフォールディングし),他の接着関連分子の結合を促進することが知られる。メカノセンサー分子は,細胞が恒常性を維持するだけでなく,周囲の力学的情報をもとに細胞分化や細胞死などが運命決定されるうえで重要な要素である。したがって,力を起因とした様々な生物学的現象を“入力側”から探るためには,メカノセンサー分子の力のもとでの分子動態を明らかにすることが必要となる。本稿では,原子間力顕微鏡を用いてメカノセンサー分子に張力を負荷する,あるいは,その立体構造を走査するための実験手法を紹介する。更に,全反射照明蛍光顕微鏡との組み合わせにより,メカノセンサー分子に対するシグナル分子の結合を直接観測するための1分子実験手法を提案する。

参考文献

. 6:24878, 2016
. 12:533-542, 2010
. 23:370-385, 2018
. 8:1575, 2018
. 18:864-875, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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