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特集 メカノバイオロジー Ⅰ.細胞・組織の力学特性の計測
細胞内構造のメカノバイオロジー
著者: 島本勇太1
所属機関: 1情報・システム研究機構国立遺伝学研究所新分野創造センター
ページ範囲:P.279 - P.283
文献購入ページに移動 細胞の内部には細胞骨格やオルガネラをはじめとする様々な構造物があり,それぞれが力を発生したり,外から作用する力を細胞質の各部に伝えたりしながら機能している。細胞が力を感じ応答するしくみを理解するためには,これらの構造物が細胞の中で示す力学特性についても明らかにする必要がある。しかしながら,細胞内の力に関する解析は,細胞膜の干渉や計測プローブの操作性などが問題となって一般的に難しい。筆者らは,マイクロニードルの力計測装置と細胞質抽出液を組み合わせたアッセイにより,この問題にアプローチしている。本稿では,染色体分配装置である紡錘体が示す力発生と応答のしくみを中心に,小胞体や細胞核など他のオルガネラシステムが持つ力学特性も含め最近の知見を概説する。
参考文献
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