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特集 メカノバイオロジー Ⅲ.力学環境依存的な細胞の機能発現
間葉系幹細胞の分化偏向抑制培養—培養力学場記憶の蓄積回避技術
著者: 木戸秋悟1
所属機関: 1九州大学先導物質化学研究所分子集積化学部門医用生物物理化学分野
ページ範囲:P.306 - P.311
文献購入ページに移動 細胞の力覚機構はどのように細胞分化にかかわるのか? 幹細胞のメカノバイオロジーにおけるこの主要問題は,間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell;MSC)の培養力学場依存的な分化応答の発見以降,盛んに研究されている。一方,MSCという細胞集団の特性は実に不安定であり,培養環境による力学場刺激の強度や持続時間の条件の違いがその分化特性を左右することも知られている。典型的には通常培養に用いられる硬いプラスチック皿での培養を一定期間以上経るだけで,MSCは分化偏向を被り,その幹細胞性を減弱させる。MSCの幹細胞性はその治療有効性と深くかかわるため,培養中の分化偏向を避ける培養技術が求められている。本稿ではこの問題に関して,幹細胞のメカノバイオロジーを操作する培養基材の設計による解決法を紹介する。
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