「令和」新時代の幕開けにあたり,戦後から平成に至るまで現代医学・生物学を築いてこられた先駆者の業績を振り返り,戦後の日本が現代医学・生命科学の発展にどのような貢献をしたかが概観できる一冊を作ろうと考え,本特集を企画した。第二次世界大戦終結後から今日までの74年間,世界はさまざまな領域で大きな変革を遂げてきたが,国家・民族間の対立は現在でも変わることなく続いている。それぞれの主張が衝突し合って益々混迷を深めるなかで,真の豊かさとは何かを問いかけ,科学や文化を通して世界に新しい価値を発信し続けることがわれわれ科学者の使命である。そのためにも,戦後から現在に至るわが国において,激動の時代を駆け抜けた先駆者が何を思い,何を成し遂げてきたかを今一度学び直すことには大きな意義があると信じる。
特集企画にあたり,無理を承知でお願いした多くの先生方からのご寄稿はいずれも力作である。そこには,お一人お一人の研究人生のドラマや執筆者ご自身の想いが凝縮されており,感動を覚える。そして,われわれが幼少期からすごした自分史に重ね合わせるとき,同時代に活躍された先駆者の偉大さによって改めて襟を正される思いである。
雑誌目次
生体の科学70巻5号
2019年10月発行
雑誌目次
増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち
特集「現代医学・生物学の先駆者たち」によせて フリーアクセス
著者: 『生体の科学』編集委員一同
ページ範囲:P.363 - P.363
Ⅰ.解剖学・発生学・細胞生物学
石川春律(1935-2008)—日本の細胞生物学の父
著者: 月田早智子 , 臼倉治郎
ページ範囲:P.364 - P.365
石川春律先生は,電子顕微鏡を駆使した細胞生物学を推進した。細胞内中間径フィラメント(intermediate-sized filament)を発見し,命名した。HMM修飾による細胞内アクチンフィラメントの検出と方向性の決定法を開発した。細胞骨格・膜研究の積み重ねにより,日本の細胞生物学の父とも呼ばれている。九州大学医学部大学院修了後,ペンシルベニア大学博士研究員,東京大学医学部助教授,群馬大学教授を歴任された。解剖学辞典や図説など,石川先生の多くの著書で学んだ読者も多いのではないだろうか。
井上信也(1921-)—シンヤスコープの発明
著者: 馬渕一誠
ページ範囲:P.366 - P.367
生物物理学者,井上信也さんは,シンヤスコープ(SSと略記)と呼ばれる偏光顕微鏡を自作し,改良を続け,紡錘体や膜構造など細胞内の複屈折性の構造を生きた状態で観察することに成功し,それらのダイナミクスを明らかにした。各国を遍歴して育ち,研究者となってからも日本国内,米国内の様々な大学・機関で研究教育を行ってきた国際的科学者である。1989年,米国に帰化。2003年に国際生物学賞を受賞1,2)。
大野乾(1928-2000)—洞察の巨人・論考の達人
著者: 森望
ページ範囲:P.368 - P.369
大野乾博士は1960年代,雌の細胞のバー小体は不活化したX染色体であることを示し,当時の細胞生物学領域で一躍,時の人となった。70年代には遺伝子重複による進化理論で世界を揺るがせた。細胞生物学,免疫学,進化論,生物学のどの分野の人とも議論を好んだ。鋭い洞察と論旨の構成,それは群を抜いていた。米国COH研究所の終身栄誉所員,米国科学アカデミー会員。釣りを好み,馬を愛し,晩年は音楽を楽しまれた。ロサンゼルスのハリウッドの裏山の墓地,フォーレストローンに眠っておられる。
岡田節人(1927-2017)—「研究者には余裕がないとアカンのャ」
著者: 高橋淑子
ページ範囲:P.370 - P.371
岡田節人(おかだときんど)氏は,個体発生の研究に分子生物学やES細胞をいち早く取り入れることで,細胞の機能をとおして形づくりを理解するという学問体系を打ち立てた。また,自身が発見した細胞の「分化転換」は,現在の幹細胞生物学の基礎を築いた。時代を先取りした強烈な国際感覚により,わが国の発生生物学を一気に国際レベルに押し上げた。岡田節人氏は,真の文化人としての科学者であり,その薫陶を受けた若者の多くは,のちにわが国の学術を牽引している。
岡田善雄(1928-2008)—細胞融合現象の発見から細胞工学へ
著者: 目加田英輔
ページ範囲:P.372 - P.373
岡田善雄博士は,センダイウイルスによる細胞融合現象を発見し,雑種細胞を用いた細胞遺伝学の確立に大きく貢献した。その成果はモノクローナル抗体による難病治療薬の開発など,現在まで受け継がれている。更に,細胞融合を利用して細胞内に人為的に物質を導入する方法を考案するなど,細胞工学と呼ばれる研究領域を構築した。岡田研究室には博士の人柄と研究業績を慕って多くの研究者が集まり,そこから育った研究者が様々な分野で活躍している。
垣内史朗(1929-1984)—細胞内カルシウムメディエーター(カルモデュリン)の研究
著者: 祖父江憲治
ページ範囲:P.374 - P.375
垣内史朗博士は,生体内に広汎に存在する細胞内カルシウムメディエーターを発見し,細胞内情報伝達系研究に大きく貢献した。カルモデュリン発見当初は大阪府立中宮病院時代で研究が行われ,大阪大学ではカルモデュリンの標的検索から細胞骨格制御へと研究が移っていった。
笹井芳樹(1962-2014)—発生生物学と再生医学の融合研究
著者: 河崎洋志
ページ範囲:P.376 - P.377
笹井芳樹先生はアフリカツメガエルを用いた初期胚発生の研究で,神経誘導などにおける様々な分子機構を解明された。これらの成果と幹細胞研究を組み合わせ,ES細胞などから神経細胞への
下村脩(1928-2018)—下村脩博士とオワンクラゲ
著者: 宮脇敦史
ページ範囲:P.378 - P.379
1945年8月9日の午前11時。下村脩少年(当時16歳)は,長崎市の上空に,米機が何某かの機器をパラシュートで落下させるのを目撃した。その直後にプルトニウム型原子爆弾「ファットマン」が投下される(午前11時2分)。目撃の機器は放射能を測定するためのものであった。やがて黒い雨を浴びながら,下村少年は,日本の未来そして自分の将来をどのように思い描いていたのであろうか。恩讐の彼方に米国で生涯を過ごすことになるとはよもや思わなかったに違いない。
月田承一郎(1953-2005)—徹底的に形態学を利用した分子生物学
著者: 古瀬幹夫
ページ範囲:P.380 - P.381
月田承一郎博士は,電子顕微鏡形態学をベースとしたユニークな分子細胞生物学を展開し,上皮のバリア機能を担う細胞間結合タイトジャンクションの主要構成分子群の同定と生理機能の解明において決定的な貢献を果たした。その成果は,細胞生物学にとどまらず,上皮バリアや上皮輸送にかかわる病態の研究にも大きく波及している。
藤田恒夫(1929-2012)—多彩な解剖学者
著者: 牛木辰男 , 岩永敏彦
ページ範囲:P.382 - P.383
1959年に東京大学生物系大学院を卒業し,1961年に岡山大学医学部の第二解剖学講座に助教授で迎えられ,この間にドイツ・フンボルト財団の研究員としてキール大学のW. Bargmann教授のもとに留学(1961-1963),その後,1968年に新潟大学第三解剖の教授となり,定年まで教授職を務めた(〜1995年)。パラニューロン,走査電顕の生物応用などの研究と共に,教科書執筆,雑誌編集など,解剖学の枠にとどまらない多彩な活動で知られる。
増井禎夫(1931-)—細胞周期研究をブレークさせた発生学者
著者: 岸本健雄
ページ範囲:P.384 - P.385
増井禎夫博士は京都大学理学部動物学教室出身の発生学者で,現在はカナダ国籍のトロント大学名誉教授である。本稿の主題である卵成熟促進因子(maturation-promoting factor;MPF)と細胞分裂抑制因子(cytostatic factor;CSF)を,1971年にカエル卵で見いだした。この発見は,20年後に真核生物における細胞周期制御研究が歴史的大ブレークする口火を切るものであった。
山田致知(1922-1994)—肉眼解剖学の新境地の開拓と献体活動の近代化に尽力
著者: 熊木克治
ページ範囲:P.386 - P.387
大正11(1922)年香川県に誕生,大阪に育ち,昭和21(1946)年東京帝国大学医学部卒業。昭和29(1954)年ブリティッシュ・カウンシル奨学生としてロンドン大英自然史博物館において鯨類形態学の研究。昭和35(1961)年-同62(1987)年金沢大学医学部解剖学教授。平成6(1994)年12月15日逝去。
山田致知先生は医学教育の場で,肉眼(マクロ)解剖学の教育・研究を通して“科学することの愉しさと重要性”すなわち“科学の真髄”を伝えるという使命を果たし,同時に,篤志献体活動の近代化への道を切り開いた。また,鯨類の分類について,初期はユメゴンドウ(ムネサトイルカ,1954),近年は日本海でのオウギハクジラなどの調査研究に傾注した。
Ⅱ.生化学・遺伝学
新井賢一(1942-2018)—酵素化学から免疫学へ:A global advocator for science
著者: 宮島篤
ページ範囲:P.388 - P.389
新井賢一博士は,GTP/GDP結合ポリペプチド鎖延長因子EF-Tuにおいて,リガンドの変換によりタンパク質の反応性をON/OFFにするエネルギー転換機構を明らかにし,同様の機構の存在をDNA複製因子においても示した。また,φX174ファージDNAの
今堀和友(1920-2016)—ホップステップジャンプ
著者: 高崎洋三
ページ範囲:P.390 - P.391
東京大学名誉教授の今堀和友先生の弟子として,ずっと見つめてきた筆者の所感を描いた。教養学部から農学部,医学部と異動されてきた先生の研究者としての思考,生き様を紹介したい。先生は幅広い知識をもとにモデルを組んだアイデアを度々披瀝された。それが彼の高い評価につながったが,弟子としては,ついて行くのが大変であった
岡崎令治(1930-1975)—DNA不連続合成機構の解明
著者: 吉川寛
ページ範囲:P.392 - P.393
岡崎令治博士は名古屋大学理学部生物学科の化学発生学研究室(山田常雄教授)に研究補助員の職を得て間もなく,当時大学院生であった恒子氏と結婚,以来令治が44歳で原爆被爆による白血病で倒れるまで二人は常に行動を共にした。研究のことしか頭にない天才肌の令治と穏やかで知的な恒子は,共通の目標に向かって挑戦を続け,“岡崎フラグメントによるDNAの不連続合成”の発見という偉業を成し遂げた。これは20世紀最大のパラドックスに果敢に挑戦し解決した,類いまれな夫婦研究者の物語である1)。
上代淑人(1929-2011)—GTP結合タンパク質の研究
著者: 佐藤孝哉
ページ範囲:P.394 - P.395
上代淑人博士は,タンパク質生合成の延長因子に関する研究から,GTP結合タンパク質の新しい反応機構を提唱した。その後,細胞内情報伝達系で機能するGTP結合タンパク質の研究を進め,この反応機構が細胞内に普遍的に存在することを実証した。これらの研究は,東京大学医科学研究所,DNAX分子細胞生物学研究所(米国),東京工業大学生命理工学部において30年以上にわたって行われ,非常に高い評価を得ている。
木村資生(1924-1994)—分子進化の中立説
著者: 五條堀孝
ページ範囲:P.396 - P.397
木村資生博士は,集団遺伝学の理論的な研究を発展させ,今日の分子進化やゲノム進化の理論的な基礎と枠組みを完成させた。特に,1968年に発表した「分子進化の中立説」の基本となる論文は,非ダーウィン的進化論の提案として大きな論争を巻き起こした。その後,遺伝子やゲノムの情報蓄積と共に,論争決着とはいかないまでもその大枠は理解されて,ダーウィンメダルを受賞した。その集団遺伝学や分子進化への貢献は偉大で,その功績は国際的に高く評価されている。
西塚泰美(1932-2004)—プロテインキナーゼCの発見
著者: 高井義美
ページ範囲:P.398 - P.399
筆者は,医学部の3年生のときに生化学の講義で西塚泰美先生と初めて出会った。1970年ごろである。当時生化学の多くの研究成果に対してノーベル生理学・医学賞が与えられており,西塚先生の生化学の講義ではこれらの偉大な仕事がどのようにしてなされたかという歴史も話された。西塚先生は学問の楽しさ,学問の独創性や実験結果の再現性の重要性,プロの学者の考え方や姿勢などについても学生に熱く語られた。流行を追うのではなく流行を作るような仕事をすれば君たちもノーベル賞を受賞できると学生に夢を与えられた。西塚先生のこのような情熱的な講義に,筆者や多くの学生が魅了され,筆者は西塚研で学生時代から研究を開始したが,他の多くの学生も卒業後学問の道に進んだ。西塚研ではこの先生のお考えに従って研究が進められ,その結果プロテインキナーゼC(PKC)が発見された。
早石修(1920-2015)—生化学の巨人
著者: 成宮周
ページ範囲:P.400 - P.401
早石修博士は,トリプトファン代謝研究から出発し,酸素添加反応とそれを触媒する酵素,酸素添加酵素,を発見した。次いで,酸素添加反応の様々な生物学的役割を解明,その一つがトリプトファンからのNAD生合成経路の同定である。更に,NADのADPリボース部分がタンパク質に転移して機能修飾を起こすADPリボシル化反応をジフテリア毒素とポリADPリボースで示した。また,トリプトファン分解の新規酵素インドールアミン酸素添加酵素を発見したほか,プロスタグランジン生合成の酵素基盤を明らかにし,プロスタグランジンD2の睡眠作用を見いだした。
藤澤仁(1936-2007)—生化学の王道を行く
著者: 石田敦彦
ページ範囲:P.402 - P.403
藤澤仁博士は,CaMキナーゼⅡや14-3-3など,神経系で極めて重要な働きをしている様々な酵素・タンパク質を生化学的手法によって発見・精製し,その性質を解明することに尽力した。それにより,神経機能の調節におけるタンパク質リン酸化の研究分野に大きな足跡を残した。
丸山工作(1930-2013)—筋収縮構造タンパク質の研究
著者: 大日方昂
ページ範囲:P.404 - P.405
丸山工作博士は,筋収縮装置の構造と機能およびその制御にかかわる重要なアクチン結合タンパク質アクチニンや弾性タンパク質を発見し,その機能特性を明らかにするなど,筋機能と構造の解明に多大な貢献をした。
三浦謹一郎(1931-2009)—RNAの研究からタンパク質工学への展開
著者: 鈴木勉
ページ範囲:P.406 - P.407
三浦謹一郎博士は,二本鎖RNAウイルスを用いた研究から,mRNAの末端構造であるキャップ構造を発見し,真核生物のタンパク質合成機構のメカニズムの解明に大きな貢献をした。その後,遺伝子工学の手法を積極的に取り入れ,タンパク質の設計と合成を目指すタンパク質工学の発展に大きく寄与した。
山川民夫(1921-2018)—先天性代謝異常を化学の目から解き明かす
著者: 脊山洋右
ページ範囲:P.408 - P.409
山川民夫先生は医学部を卒業したが基礎医学に興味を持たれ,学生時代から伝染病研究所の薬学系の研究室で指導を受けられた。脂質生化学研究で世界をリードされたが,なかでも糖脂質に関しては,先天性の代謝異常症を蓄積物質の化学構造を明らかにすることに始まり,酵素反応も物質としてのタンパク質という考えのもとに多くの業績を残された。生化学を,生物の代謝を化学の目で見るという視点から研究を進められた。
由良隆(1929-)—熱ショック応答とタンパク質恒常性制御
著者: 伊藤維昭
ページ範囲:P.410 - P.411
由良隆博士は,わが国における分子生物学の草分けの一人である。大腸菌の熱ショック応答を発見,その分子機構と生物学的意義の解明を通じ,分子シャペロンと生体内タンパク質恒常性(proteostasis)の分野を切り開いた。
Ⅲ.細菌学・ウイルス学・免疫学
石坂公成(1925-2018)—IgEの発見とアレルギー研究への貢献
著者: 髙津聖志
ページ範囲:P.412 - P.413
石坂公成博士はIgE,FcεR,好塩基球やマスト細胞の研究を通じて,アレルギー発症に必須のIgEとその標的細胞の発見,IgE産生機構の解明に大きく貢献した。研究の多くはデンバーの小児喘息研究所病院とジョンズ・ホプキンス大学でなされたが,ラホイヤアレルギー免疫学研究所の設立とその発展にも大きく貢献している。研究室に在籍した多くの日本人研究者は,帰国後研究を大きく発展させ,昭和-平成の時代にわが国の免疫学研究,アレルギー学研究の発展に寄与した。
石坂博士は東京大学医学部を卒業後,国立予防衛生研究所免疫血清室長,小児喘息研究所(デンバー)免疫部長,ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授(京都大学医学部教授兼任),ラホイヤアレルギー免疫研究所所長,米国免疫学会会長などを歴任し,米国科学アカデミーの会員であった。
高橋理明(1928-2013)—水痘ワクチンの開発
著者: 山西弘一
ページ範囲:P.414 - P.415
高橋理明博士は一貫して大阪大学微生物病研究所においてウイルス学,とりわけヘルペスウイルスの基礎研究とその研究をもとに,ヘルペスウイルス科に属する水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)ワクチンの開発をされた。このワクチンは世界で初めてのワクチンで,健康児のみならず,白血病患者や免疫低下の小児にも接種される安全性の高い生ワクチンで,現在では水痘の予防のみならず,帯状疱疹用のワクチンとして米国をはじめ世界中で主として小児に接種されている。この功績は国際的である。
多田富雄(1934-2010)—サプレッサーT細胞
著者: 奥村康
ページ範囲:P.416 - P.417
多田富雄博士は世界に先駆けてIgE抗体産生の実験系を用いて,ヘルパーT細胞に呼応してB細胞の抗体産生を統御するサプレッサーT細胞の存在を発表した。それを契機に国際的な研究者との交流を深め,多くの日本の免疫学者を育てた。
野本明男(1946-2014)—ポリオウイルス病原性研究の開拓者
著者: 小池智
ページ範囲:P.418 - P.419
野本明男博士はポリオウイルスの複製と病原性発現の分子メカニズムの解明に関する研究を行った。わが国におけるウイルスのリバースジェネティクスの先駆者であり,試験管レベル,細胞レベルにとどまらず,個体における病原性研究まで広く展開し,分子ウイルス学研究に世界的な貢献をした。
日沼賴夫(1925-2015)—ヒトがんウイルスの探究
著者: 菅村和夫
ページ範囲:P.420 - P.421
日沼賴夫博士は,ヒトがんウイルスを生涯の研究テーマとするなかで,成人T細胞白血病の原因ヒトレトロウイルスを発見し,その感染経路の解明と感染防御法の確立に大きく貢献した。また,同ウイルスの起源が縄文人にまで遡り得ることを示し,ウイルス研究から日本人の起源論を展開した。ヒトがんウイルス研究を通じて多くの門下生を育て,わが国の医学ウイルス学の発展に寄与した。
掘越弘毅(1932-2016)—極限環境微生物研究の開拓者
著者: 伊藤政博
ページ範囲:P.422 - P.423
掘越弘毅博士は,極限環境生物学会と国際極限環境微生物学会の創始者であり,両学会の初代会長を務められ,極限環境生物に関する多大なるレガシーを残された。掘越博士は彼の人生を生物が過酷な状況下でどのように生存するのかを理解することと,それらが生産する酵素を人々の生活に役立てることに捧げた。特に掘越博士は好アルカリ性微生物を再発見し,本菌によって産生される酵素の産業化に成功したことで有名である。
光岡知足(1930-)—腸内細菌学のパイオニア,その業績と哲学
著者: 中山雅晴
ページ範囲:P.424 - P.425
光岡知足博士は腸内細菌学の礎を築いたパイオニアの一人であり,特にビフィズス菌に代表される腸内嫌気性菌の研究に多大なる足跡を残した。また,乳酸菌発酵乳や機能性食品の開発にも大きく貢献し,更には善玉菌や悪玉菌などの一般の人々にもわかりやすい言葉を用いて,健康を維持するうえでの腸内環境の重要性を提唱した。その思想は産学を問わず多くの門下生に引き継がれ,現在の腸内細菌学の隆盛として結実した。
Ⅳ.病理学・腫瘍学
伊東信行(1928-2010)—環境化学物質の発がん性
著者: 髙橋智
ページ範囲:P.426 - P.427
伊東信行博士は,環境化学物質の発がん性検出に尽力され,長期間を要するがん原性試験に代わる,比較的短期間で検討できる発がん性試験代替法の開発に成功した。これらの功績により,現在のリスクアセスメントに通じるリスク評価法の大きな変革がもたらされた。また,現在の毒性学・発がん分野においてわが国のみならず世界を牽引する形で活躍している多くの研究者を育成・輩出した。
菅野晴夫(1925-2016)—卓越した日本がん研究のリーダー
著者: 北川知行
ページ範囲:P.428 - P.429
菅野晴夫博士の“現代医学・生物学の先駆者”としての偉大さは,何を同定した,何を解明した,という視点では語れない。先生は,がんの病理学者として卓越した業績を挙げたのち,新時代におけるがんの分子生物学的研究の重要性をいち早く見抜き,リーダーとして研究環境を整え,人を鼓舞・指導し,数々の歴史に残る成果を上げさせた。先生はしかし発表の際は決して自分の名前を入れさせなかった。いまわれわれに見えるのは,先生を親しく師と仰ぐ無数の研究者の姿である。
鶴尾隆(1943-2008)—がん化学療法の研究
著者: 清宮啓之
ページ範囲:P.430 - P.431
鶴尾隆博士は,抗がん剤多剤耐性の原因となるP-糖タンパク質のヒト遺伝子を単離すると共に,ベラパミルによるP-糖タンパク質の阻害が多剤耐性を克服することを発見した。癌研究会(現・がん研究会)および東京大学を拠点としてがん化学療法の学問体系を整えた一方で,がん分子標的治療研究会(現・日本がん分子標的治療学会)を設立し,文部科学省科研費・がん特定領域研究の代表を務めるなど,わが国のがん研究の振興に大きく寄与した。
花房秀三郎(1929-2009)—オンコレトロウイルスの研究
著者: 松田道行
ページ範囲:P.432 - P.433
花房秀三郎博士は,オンコレトロウイルスの研究を通じてがん遺伝子の概念形成とがん遺伝子産物が構成する細胞内情報伝達系の解明に大きく貢献した。研究の多くはRockefeller大学で行われたものであるが,研究室には日本人研究者が常時在籍し,その多くは日本に帰国して研究を展開させ,昭和〜平成の日本のがん遺伝子研究,細胞内情報伝達研究の発展に大きく寄与した。
平野朝雄(1926-2019)—神経病理学に魅せられて
著者: 水澤英洋
ページ範囲:P.434 - P.435
平野朝雄先生は1954年に渡米し神経学の研鑽ののち,1968年からはMontefiore病院にて神経病理学一筋に研究を続けた。グアムのPDCから脳腫瘍まで多くの神経疾患の人体病理学のみならず,電子顕微鏡を駆使した脳浮腫の実験病理学においても輝かしい業績を上げると共に,日本人を含む多くの後進を教育した。
廣橋説雄(1949-2016)—多段階発がんと細胞接着分子異常の分子病理学
著者: 坂元亨宇
ページ範囲:P.436 - P.437
廣橋説雄博士は,がんの病理形態像と病理組織における分子・遺伝子の異常を詳細に調べることで,がんの発生進展過程や浸潤転移という時間的・空間的な病態を実際のヒトのがんで解析できること,更にはその機序を明らかにできることを示し,分子病理学の確立発展に大きく貢献した。病院と研究所が一体となり診断・研究を行っていた当時の国立がんセンター病理部では,多くの病理医・臨床医が研鑽を積み,その後全国に分子病理学を広めていった。
Ⅴ.生理学・薬理学・生物物理学
江橋節郎(1922-2006)—カルシウム時代の幕開け
著者: 遠藤實
ページ範囲:P.438 - P.439
江橋節郎博士は,横紋筋の生理的収縮は筋細胞興奮の結果,筋小胞体から放出されるCaによって惹起されるという興奮収縮連関のメカニズムを解明し,更に,筋収縮タンパク質系中のCa受容タンパク質,トロポニンを発見し,Caによる筋収縮弛緩制御の分子機構を明らかにした。この業績は,Caのセカンドメッセンジャーとしての役割を初めて確立した画期的な偉業である。
大沢文夫(1922-2019)—Loose Couplingと生きものらしさ
著者: 柳田敏雄
ページ範囲:P.440 - P.441
日本の生物物理学を創設し牽引してきた大沢文夫先生が今年96年間の生涯を閉じられた。物理,生物物理両分野で大きな業績を上げられ,大沢牧場と呼ばれた独特の育成法で多くの人材を輩出した。羨ましいとも思える先生の飄々楽々とした研究人生を振り返りたい。
高橋國太郎(1935-2011)—ネコ錘体路細胞からホヤ神経細胞へ:進化を遡る研究
著者: 岡本治正
ページ範囲:P.442 - P.443
高橋國太郎博士は電気生理学の分野で顕著な業績を上げつつ,同分野の先端的手法を神経系の発生,なかんずく神経誘導の問題に適用した。現生の脊椎動物と約6億年前に共通の祖先を持つとされる頭索動物ホヤの初期胚を用いて,最小の2細胞から成る最も単純な解析系を確立し,神経誘導機構における細胞間作用の詳細について明らかにした。
殿村雄治(1923-1982)—ATPエネルギー変換機構
著者: 宮田真人 , 荒田敏昭
ページ範囲:P.444 - P.445
殿村雄治教授は,生体内でATPの化学エネルギーが他のエネルギーに変換される過程の解明に大きく貢献した。北海道大学触媒研究所(1949-63年,教授は1958年から)と大阪大学理学部(1963-82年)で行われた研究はミオシンから始まり,カルシウムポンプ,ナトリウムポンプ,ダイニン,ATP合成酵素など多岐にわたった。数十名の研究者を様々な分野に送り出し,また多方面に影響を与えていたが,在職中の1982年に59歳の若さで急逝した。
眞崎知生(1934-)—骨格筋研究から血管研究の創成へ
著者: 沢村達也
ページ範囲:P.446 - P.447
眞崎知生博士は,筋肉構成タンパク質にアイソフォームが存在し,それが発生過程でスイッチすることを見いだした。そして,血管研究に転じ,内皮細胞由来の強力な生理活性ペプチドであるエンドセリンを発見。その研究を通じて,同じく内皮細胞から発見されたガス状生理活性物質である一酸化窒素の研究と共に,“血管”の認識を単なる血液輸送器官から内分泌組織へと変貌させた。更にエンドセリン拮抗薬は肺高血圧症治療薬として利用され,研究成果は,血管内皮細胞の生理・病理的機能解明から臨床応用まで広く寄与した。
松尾壽之(1928-)—生理活性ペプチドの研究
著者: 中里雅光
ページ範囲:P.448 - P.449
松尾壽之先生は,生体内の情報伝達にかかわる超微量ペプチドの独創的な分析法を開発され,脳神経系や心臓などから重要な生理機能を持つペプチドを次々と発見され,生命現象のからくりを解く新しい研究領域を切り開かれた。これらの成果は,前立腺がん治療ならびに心不全治療薬や診断薬として,広く実用化されている。有機化学技術を基盤として,物質の発見から臨床応用まで展開された偉業は,生命科学の進歩に大きく貢献している。
Ⅵ.神経科学
伊藤正男(1928-2018)—小脳研究
著者: 永雄総一
ページ範囲:P.450 - P.451
わが国の脳科学の産みの親である伊藤正男博士は,小脳研究の第一人者であった。博士は半世紀前に小脳の出力が抑制性であることを発見し,眼球反射を用いて欧米の数理工学者が提唱した小脳学習モデルを検証し,学習の原因となる小脳皮質のシナプス伝達可塑性を発見した。更に博士は小脳学習が認知機能に関与することを指摘した。
大塚正徳(1929-)—神経伝達物質の発見
著者: 鈴木秀典
ページ範囲:P.452 - P.453
大塚正徳博士は,神経伝達物質研究の進歩に大きく貢献した。特にサブスタンスPに関する研究は,ペプチド性物質が哺乳類の神経伝達物質であることを初めて明らかにした画期的な業績である。この研究はわが国でなされ,国内の神経科学研究の発展につながった。ファミリーペプチドの発見や受容体のクローニングなど,サブスタンスPに関連する世界的な成果がわが国から発信されている。
小野武年(1938-)—「情動・記憶のしくみとはたらき」に関する先駆的研究
著者: 西条寿夫
ページ範囲:P.454 - P.455
小野武年教授は,独自に開発した多連ガラス微小電極法を用いて,脳(視床下部)における各種代謝産物やホルモンなど生体の内部環境情報処理の神経化学機構をニューロン膜レベルで解明し,神経科学の発展に大いに貢献した。また,覚醒行動下動物の脳内各部位からニューロン活動を記録し,本能行動(摂食,飲水など),情動,認知・記憶・学習,予測や意思決定ならびに行動遂行との相関を解析する研究をいち早く始め,現在隆盛している「こころ」(情動・記憶:動物と人間に共通,人間独特の崇高または残虐な喜怒哀楽の感情)の神経科学的研究の源流となる研究をされた。
小西正一(1933-)—音声学習と音源定位の神経基盤
著者: 渡邉大
ページ範囲:P.456 - P.457
小西正一博士は,動物行動学(ethology)を出発点として独自の研究を開拓した。小鳥の歌の獲得過程に作用する先天的・後天的要因について研究し,行動の獲得における感覚フィードバックの重要性を示した。また,メンフクロウの捕獲行動に注目し,その音源定位の神経機構として,脳の中に聴覚情報による空間マップが存在すること,更に両耳の聴覚入力から空間マップが形成される脳の計算処理を明らかにした。
佐野勇(1924-1975)—精神神経医学に神経化学の光を当てた医学者
著者: 佐野輝
ページ範囲:P.458 - P.459
佐野勇は,ヒト脳でのDAの詳細な分布を測定し,その錐体外路系での豊富な分布を明らかにし,Parkinson病患者の線条体でのDAの極端な減少を明らかにし,国際的にも初めて患者にDOPAを静脈注射して効果を明らかにした。更に,第二のアミンプリカーサー療法としての,うつ病に対するセロトニンの前駆物質であるL-5-HTP療法をも開発した。
塚原仲晃(1933-1985)—脳の可塑性研究の開拓者
著者: 村上富士夫
ページ範囲:P.460 - P.461
塚原仲晃博士は脳の可塑性研究の開拓者である。博士は成熟脳における神経結合が変化し得る,つまり可塑的であることを世界に先駆けて証明し,それが行動の可変性の基礎として重要であることを明らかにした。その研究は,その後分子機構の解明に向けて大きく発展した可能性があり,同博士が航空機事故に遭遇したことはわが国の神経科学にとって大きな損失であった。
冨田恒男(1908-1991)—錐体視細胞の細胞内記録による三色説の生理学的確立
著者: 金子章道
ページ範囲:P.462 - P.463
冨田教授が網膜の研究に取り組み始めたころ(1960年代初頭)には,網膜の視細胞が光に対してどのように反応するのかは未知の分野であった。また,色覚に関しても心理学的な研究から,Young-Helmholtzの三色説とHeringの反対色説が対立し未解決の時代であった。冨田教授と弟子たちは微小電極法を駆使して魚類網膜の視細胞からの細胞内記録に成功し,錐体視細胞の分光応答を解析することによって分光感度の異なる3種類の錐体の存在を生理学的に証明し,三色説を確立させた。
沼正作(1929-1992)—イオンチャネル・レセプターの構造と機能
著者: 田邊勉
ページ範囲:P.464 - P.465
沼正作先生はイオンチャネル・レセプターの構造機能連関の研究において,常に世界をリードしてきた。研究に対する集中力,執念は鬼気迫るものがあり,生活のすべてが研究と直結していた。晩年集大成として行っていたX線結晶構造解析の仕事が完成するまでご存命であれば,ノーベル賞も手に入れていたことであろう。自身を極限まで追い込む性格であり,周りに健康に注意をしてくれる人がいなかったことが命を縮める原因になったのではないだろうか。
萩原生長(1922-1989)—驚異的な洞察力と多方面にわたる貢献
著者: 飯島敏夫
ページ範囲:P.466 - P.467
萩原生長(すすむ)博士はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部生理学教室を中心にイオンチャンネルの研究を進め,殊にカルシウム(Ca)チャンネルの研究が著名である。生体におけるCaの重要性が次々に明らかにされている現在,博士の業績はますます輝きを増している。
藤田晢也(1931-)—脳の発生モデルとがんの自然史モデル
著者: 髙松哲郎
ページ範囲:P.468 - P.469
ヒトを含むすべての脊椎動物の中枢神経系は,単純な神経管から非常に複雑な構造と機能を持つ脳が生まれるが,神経管はマトリックス細胞という脳のすべての神経細胞とグリアをつくりだす母細胞だけから成ることを示し,今日の神経科学の発展の基礎となっている。更に,ヒトがんの発生からプログレッションという自然史を時間軸の上に捉えるという立場を確立し,いかに微小がんから進行がんへ進むのかについて定量的な新しい考えを示した。
松本元(1940-2003)—非線形非平衡システムとしての脳
著者: 合原一幸
ページ範囲:P.470 - P.471
松本元先生は,世界に先駆けて自ら人工飼育に成功したヤリイカの巨大軸索を用いて,非線形非平衡物理学の観点から,神経興奮(活動電位の生成)現象の動力学構造(外部刺激による平衡構造から散逸構造への状態転移)を解明した。次に,この成果をもとに,海馬の時空間ダイナミクスをリアルタイムオプティカルイメージング法を用いて明らかにすると共に,先端的な脳型コンピューターを開発した。この脳型コンピューターは昨今の人工知能レベルを超え得るポテンシャルを有する大きな構想であった。
Ⅶ.臨床医学
川崎富作(1925-)—川崎病発見の奇跡的偉業
著者: 濵岡建城
ページ範囲:P.472 - P.473
川崎病は全身の中小血管に炎症が起こり,発熱や発疹,唇や舌が赤く腫れるなどの症状を伴う病気で,乳幼児に好発する。概ね軽症で予後良好であるものの,重症例では発症後に冠動脈に動脈瘤ができやすいことが特徴で,将来に心臓血管障害リスクを持ちこすことになる。頻度的には人口10万当たり約300人(がん全般または心不全の1/3に相当)で,罹患数は年間15,000人ほど。病気の発見から半世紀経た今も原因不明であり,病因解明や効果的な治療法開発の努力が続けられている。
その治療は急性期の解熱を最大目標に試行錯誤が続けられてきたが,現状では免疫グロブリン製剤で8割程度が解熱でき,下がらない場合には同剤の大量投与や血漿交換,生物学的製剤なども使用が認められている。難治例に対しては免疫グロブリンとステロイドの併用が効果とコストの両面から注目されている。
菊池昌弘(1934-2012)—菊池-藤本病の研究
著者: 竹下盛重
ページ範囲:P.474 - P.475
菊池昌弘博士が確立した菊池-藤本病は若年者にみられるリンパ節炎で,結核症,自己免疫疾患や悪性リンパ腫に誤診される病気である。1か月強で寛解する疾患であり,臨床的意義が大きい。病変には,高度なアポトーシスを伴いCD8陽性T細胞と組織球の顕著な反応があり,細胞増殖率が高く悪性リンパ腫との鑑別が難しいリンパ節炎である。菊池博士は,更にWHO分類のなかで成人T細胞白血病/リンパ腫の病理的特徴をまとめ,世界に啓発した。
菊池博士は,1958年九州大学医学部医学科を卒業し,1963年同大学院医学研究科博士課程を終了後,同第二病理学教室,故橋本美智雄教授のもと血液病理学を専攻した。1966年より2年間,文部省在外研究員として西ドイツ・ハノーバ市立病院およびKiel大学で,Karl Lennert博士のもと脾臓の組織形態像の研究をした。帰国後,九州大学の助教授を経て,1973年福岡大学医学部病理学教室の初代教授に就任し,学部長,病院長や副学長を歴任し2007年に退職した。2012年4月に悪性リンパ腫再発で逝去された。
高尾篤良(1925-2006)—染色体22q11欠失症候群の発見
著者: 門間和夫
ページ範囲:P.476 - P.477
高尾篤良教授は,1970年ごろにFallot四徴症と総動脈幹残遺の小児に特異な顔貌と鼻声を持つ一群を発見して,円錐動脈幹異常顔貌症候群と命名した。更に,この症候群に胸腺低形成と免疫異常を合併することを発見した。1991年には英国John Burn教授と連携して,この症候群にDiGeorge症候群と同じく染色体22q11.2の微細欠失を証明した。2003年には,動物実験で証明されていた欠失部の
高月清(1930-)—成人T細胞白血病とヒトレトロウイルスの発見
著者: 高折晃史
ページ範囲:P.478 - P.479
高月清先生は,臨床血液医としての鋭い洞察力により3つの新たな疾患[H鎖病,高月病(POEMS症候群),成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia;ATL)]を発見した。なかでもATLの発見は,単なる1つの病気の発見にとどまらず,その後のヒトレトロウイルスHTLV-1の同定を経て,HIV-1/AIDS研究や日本人の起源論にも大きな影響を与えた。
垂井清一郎(1927-)—垂井病(Tarui disease)の研究
著者: 岩橋博見 , 下村伊一郎
ページ範囲:P.480 - P.481
垂井清一郎博士は,グリコーゲン病Ⅶ型(筋PFK欠損症)の発見者で,本疾患は垂井病(Tarui disease)として国内外の内科学教科書に記載されている。本疾患の研究は,その原因となる欠損酵素の同定,本症の特徴である溶血性貧血や高尿酸血症に関する詳細な病態解明,更には発見した第一家系における遺伝子異常の同定まで,一貫して垂井博士らの教室でなされたものであり,更にPFKアイソザイムの発見や,筋原性高尿酸血症というより一般的な病態概念の提唱にまでつながった。
平山惠造(1929-)—『神経症候学』の出版と“平山病”の発見
著者: 河村満 , 菊池雷太
ページ範囲:P.482 - P.483
恩師平山惠造先生について,1971(昭和46)年に文光堂から出版された『神経症候学』1)の執筆と,先生の名前が冠された疾患“平山病”発見について述べた。
福山幸夫(1928-2014)—福山型先天性筋ジストロフィーの発見
著者: 戸田逹史
ページ範囲:P.484 - P.485
福山幸夫博士は,福山型先天性筋ジストロフィーを発見し臨床病型を確立すると共に,小児神経学会,てんかん学会の発展にも寄与した。その後,フクチン遺伝子が発見され治療が視野に入っている。
--------------------
目次 フリーアクセス
ページ範囲:P.361 - P.362
財団だより フリーアクセス
ページ範囲:P.487 - P.487
次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.488 - P.488
基本情報

バックナンバー
75巻6号(2024年12月発行)
特集 新組織学シリーズⅤ:脂肪
75巻5号(2024年10月発行)
増大特集 学術研究支援の最先端
75巻4号(2024年8月発行)
特集 シングルセルオミクス
75巻3号(2024年6月発行)
特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ
75巻2号(2024年4月発行)
特集 生命現象を駆動する生体内金属動態の理解と展開
75巻1号(2024年2月発行)
特集 脳と個性
74巻6号(2023年12月発行)
特集 新組織学シリーズⅣ:骨・軟骨
74巻5号(2023年10月発行)
増大特集 代謝
74巻4号(2023年8月発行)
特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか
74巻3号(2023年6月発行)
特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線
74巻2号(2023年4月発行)
特集 未病の科学
74巻1号(2023年2月発行)
特集 シナプス
73巻6号(2022年12月発行)
特集 新組織学シリーズⅢ:血管とリンパ管
73巻5号(2022年10月発行)
増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
73巻4号(2022年8月発行)
特集 形態形成の統合的理解
73巻3号(2022年6月発行)
特集 リソソーム研究の新展開
73巻2号(2022年4月発行)
特集 DNA修復による生体恒常性の維持
73巻1号(2022年2月発行)
特集 意識
72巻6号(2021年12月発行)
特集 新組織学シリーズⅡ:骨格筋—今後の研究の発展に向けて
72巻5号(2021年10月発行)
増大特集 脳とからだ
72巻4号(2021年8月発行)
特集 グローバル時代の新興再興感染症への科学的アプローチ
72巻3号(2021年6月発行)
特集 生物物理学の進歩—生命現象の定量的理解へ向けて
72巻2号(2021年4月発行)
特集 組織幹細胞の共通性と特殊性
72巻1号(2021年2月発行)
特集 小脳研究の未来
71巻6号(2020年12月発行)
特集 新組織学シリーズⅠ:最新の皮膚科学
71巻5号(2020年10月発行)
増大特集 難病研究の進歩
71巻4号(2020年8月発行)
特集 細胞機能の構造生物学
71巻3号(2020年6月発行)
特集 スポーツ科学—2020オリンピック・パラリンピックによせて
71巻2号(2020年4月発行)
特集 ビッグデータ時代のゲノム医学
71巻1号(2020年2月発行)
特集 睡眠の制御と機能
70巻6号(2019年12月発行)
特集 科学と芸術の接点
70巻5号(2019年10月発行)
増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち
70巻4号(2019年8月発行)
特集 メカノバイオロジー
70巻3号(2019年6月発行)
特集 免疫チェックポイント分子による生体機能制御
70巻2号(2019年4月発行)
特集 免疫系を介したシステム連関:恒常性の維持と破綻
70巻1号(2019年2月発行)
特集 脳神経回路のダイナミクスから探る脳の発達・疾患・老化
69巻6号(2018年12月発行)
特集 細胞高次機能をつかさどるオルガネラコミュニケーション
69巻5号(2018年10月発行)
増大特集 タンパク質・核酸の分子修飾
69巻4号(2018年8月発行)
特集 いかに創薬を進めるか
69巻3号(2018年6月発行)
特集 生体膜のバイオロジー
69巻2号(2018年4月発行)
特集 宇宙の極限環境から生命体の可塑性をさぐる
69巻1号(2018年2月発行)
特集 社会性と脳
68巻6号(2017年12月発行)
特集 心臓の発生・再生・創生
68巻5号(2017年10月発行)
増大特集 細胞多様性解明に資する光技術─見て,動かす
68巻4号(2017年8月発行)
特集 血管制御系と疾患
68巻3号(2017年6月発行)
特集 核内イベントの時空間制御
68巻2号(2017年4月発行)
特集 細菌叢解析の光と影
68巻1号(2017年2月発行)
特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ
67巻6号(2016年12月発行)
特集 時間生物学の新展開
67巻5号(2016年10月発行)
増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
67巻4号(2016年8月発行)
特集 認知症・神経変性疾患の克服への挑戦
67巻3号(2016年6月発行)
特集 脂質ワールド
67巻2号(2016年4月発行)
特集 細胞の社会学─細胞間で繰り広げられる協調と競争
67巻1号(2016年2月発行)
特集 記憶ふたたび
66巻6号(2015年12月発行)
特集 グリア研究の最先端
66巻5号(2015年10月発行)
増大特集 細胞シグナル操作法
66巻4号(2015年8月発行)
特集 新興・再興感染症と感染症対策
66巻3号(2015年6月発行)
特集 進化と発生からみた生命科学
66巻2号(2015年4月発行)
特集 使える最新ケミカルバイオロジー
66巻1号(2015年2月発行)
特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
65巻6号(2014年12月発行)
特集 エピジェネティクスの今
65巻5号(2014年10月発行)
増大特集 生命動態システム科学
65巻4号(2014年8月発行)
特集 古典的代謝経路の新しい側面
65巻3号(2014年6月発行)
特集 器官の発生と再生の基礎
65巻2号(2014年4月発行)
特集 細胞の少数性と多様性に挑む―シングルセルアナリシス
65巻1号(2014年2月発行)
特集 精神疾患の病理機構
64巻6号(2013年12月発行)
特集 顕微鏡で物を見ることの新しい動き
64巻5号(2013年10月発行)
増大特集 細胞表面受容体
64巻4号(2013年8月発行)
特集 予測と意思決定の神経科学
64巻3号(2013年6月発行)
特集 細胞接着の制御
64巻2号(2013年4月発行)
特集 特殊な幹細胞としての骨格筋サテライト細胞
64巻1号(2013年2月発行)
特集 神経回路の計測と操作
63巻6号(2012年12月発行)
特集 リンパ管
63巻5号(2012年10月発行)
特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
63巻4号(2012年8月発行)
特集 質感脳情報学への展望
63巻3号(2012年6月発行)
特集 細胞極性の制御
63巻2号(2012年4月発行)
特集 RNA干渉の実現化に向けて
63巻1号(2012年2月発行)
特集 小脳研究の課題(2)
62巻6号(2011年12月発行)
特集 コピー数変異
62巻5号(2011年10月発行)
特集 細胞核―構造と機能
62巻4号(2011年8月発行)
特集 小脳研究の課題
62巻3号(2011年6月発行)
特集 インフラマソーム
62巻2号(2011年4月発行)
特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
62巻1号(2011年2月発行)
特集 摂食制御の分子過程
61巻6号(2010年12月発行)
特集 細胞死か腫瘍化かの選択
61巻5号(2010年10月発行)
特集 シナプスをめぐるシグナリング
61巻4号(2010年8月発行)
特集 miRNA研究の最近の進歩
61巻3号(2010年6月発行)
特集 SNARE複合体-膜融合の機構
61巻2号(2010年4月発行)
特集 糖鎖のかかわる病気:発症機構,診断,治療に向けて
61巻1号(2010年2月発行)
特集 脳科学のモデル実験動物
60巻6号(2009年12月発行)
特集 ユビキチン化による生体機能の調節
60巻5号(2009年10月発行)
特集 伝達物質と受容体
60巻4号(2009年8月発行)
特集 睡眠と脳回路の可塑性
60巻3号(2009年6月発行)
特集 脳と糖脂質
60巻2号(2009年4月発行)
特集 感染症の現代的課題
60巻1号(2009年2月発行)
特集 遺伝子-脳回路-行動
59巻6号(2008年12月発行)
特集 mTORをめぐるシグナルタンパク
59巻5号(2008年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
59巻4号(2008年8月発行)
特集 免疫学の最近の動向
59巻3号(2008年6月発行)
特集 アディポゲネシス
59巻2号(2008年4月発行)
特集 細胞外基質-研究の新たな展開
59巻1号(2008年2月発行)
特集 コンピュータと脳
58巻6号(2007年12月発行)
特集 グリケーション(糖化)
58巻5号(2007年10月発行)
特集 タンパク質間相互作用
58巻4号(2007年8月発行)
特集 嗅覚受容の分子メカニズム
58巻3号(2007年6月発行)
特集 骨の形成と破壊
58巻2号(2007年4月発行)
特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御
58巻1号(2007年2月発行)
特集 意識―脳科学からのアプローチ
57巻6号(2006年12月発行)
特集 血管壁
57巻5号(2006年10月発行)
特集 生物進化の分子マップ
57巻4号(2006年8月発行)
特集 脳科学が求める先端技術
57巻3号(2006年6月発行)
特集 ミエリン化の機構とその異常
57巻2号(2006年4月発行)
特集 膜リサイクリング
57巻1号(2006年2月発行)
特集 こころと脳:とらえがたいものを科学する
56巻6号(2005年12月発行)
特集 構造生物学の現在と今後の展開
56巻5号(2005年10月発行)
特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
56巻4号(2005年8月発行)
特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
56巻3号(2005年6月発行)
特集 Naチャネル
56巻2号(2005年4月発行)
特集 味覚のメカニズムに迫る
56巻1号(2005年2月発行)
特集 情動―喜びと恐れの脳の仕組み
55巻6号(2004年12月発行)
特集 脳の深部を探る
55巻5号(2004年10月発行)
特集 生命科学のNew Key Word
55巻4号(2004年8月発行)
特集 心筋研究の最前線
55巻3号(2004年6月発行)
特集 分子進化学の現在
55巻2号(2004年4月発行)
特集 アダプタータンパク
55巻1号(2004年2月発行)
特集 ニューロンと脳
54巻6号(2003年12月発行)
特集 オートファジー
54巻5号(2003年10月発行)
特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス
54巻4号(2003年8月発行)
特集 ラフトと細胞機能
54巻3号(2003年6月発行)
特集 クロマチン
54巻2号(2003年4月発行)
特集 樹状突起
54巻1号(2003年2月発行)
53巻6号(2002年12月発行)
特集 ゲノム全解読とポストゲノムの問題点
53巻5号(2002年10月発行)
特集 加齢の克服―21世紀の課題
53巻4号(2002年8月発行)
特集 一価イオンチャネル
53巻3号(2002年6月発行)
特集 細胞質分裂
53巻2号(2002年4月発行)
特集 RNA
53巻1号(2002年2月発行)
連続座談会 脳とこころ―21世紀の課題
52巻6号(2001年12月発行)
特集 血液脳関門研究の最近の進歩
52巻5号(2001年10月発行)
特集 モチーフ・ドメインリスト
52巻4号(2001年8月発行)
特集 骨格筋研究の新展開
52巻3号(2001年6月発行)
特集 脳の発達に関与する分子機構
52巻2号(2001年4月発行)
特集 情報伝達物質としてのATP
52巻1号(2001年2月発行)
連続座談会 脳を育む
51巻6号(2000年12月発行)
特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
51巻5号(2000年10月発行)
特集 ノックアウトマウスリスト
51巻4号(2000年8月発行)
特集 臓器(組織)とアポトーシス
51巻3号(2000年6月発行)
特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
51巻2号(2000年4月発行)
特集 細胞極性の形成機序
51巻1号(2000年2月発行)
特集 脳を守る21世紀生命科学の展望
50巻6号(1999年12月発行)
特集 細胞内輸送
50巻5号(1999年10月発行)
特集 病気の分子細胞生物学
50巻4号(1999年8月発行)
特集 トランスポーターの構造と機能協関
50巻3号(1999年6月発行)
特集 時間生物学の新たな展開
50巻2号(1999年4月発行)
特集 リソソーム:最近の研究
50巻1号(1999年2月発行)
連続座談会 脳を守る
49巻6号(1998年12月発行)
特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子
49巻5号(1998年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
49巻4号(1998年8月発行)
特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
49巻3号(1998年6月発行)
特集 幹細胞研究の新展開
49巻2号(1998年4月発行)
特集 血管―新しい観点から
49巻1号(1998年2月発行)
特集 言語の脳科学
48巻6号(1997年12月発行)
特集 軸索誘導
48巻5号(1997年10月発行)
特集 受容体1997
48巻4号(1997年8月発行)
特集 マトリックス生物学の最前線
48巻3号(1997年6月発行)
特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開
48巻2号(1997年4月発行)
特集 最近のMAPキナーゼ系
48巻1号(1997年2月発行)
特集 21世紀の脳科学
47巻6号(1996年12月発行)
特集 老化
47巻5号(1996年10月発行)
特集 器官―その新しい視点
47巻4号(1996年8月発行)
特集 エンドサイトーシス
47巻3号(1996年6月発行)
特集 細胞分化
47巻2号(1996年4月発行)
特集 カルシウム動態と細胞機能
47巻1号(1996年2月発行)
特集 神経科学の最前線
46巻6号(1995年12月発行)
特集 病態を変えたよく効く医薬
46巻5号(1995年10月発行)
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
46巻4号(1995年8月発行)
特集 ストレス蛋白質
46巻3号(1995年6月発行)
特集 ライソゾーム
46巻2号(1995年4月発行)
特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
46巻1号(1995年2月発行)
特集 神経科学の謎
45巻6号(1994年12月発行)
特集 ミトコンドリア
45巻5号(1994年10月発行)
特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
45巻4号(1994年8月発行)
特集 造血の機構
45巻3号(1994年6月発行)
特集 染色体
45巻2号(1994年4月発行)
特集 脳と分子生物学
45巻1号(1994年2月発行)
特集 グルコーストランスポーター
44巻6号(1993年12月発行)
特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
44巻5号(1993年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説
44巻4号(1993年8月発行)
特集 細胞接着
44巻3号(1993年6月発行)
特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
44巻2号(1993年4月発行)
特集 蛋白質の細胞内転送とその異常
44巻1号(1993年2月発行)
座談会 脳と遺伝子
43巻6号(1992年12月発行)
特集 成長因子受容体/最近の進歩
43巻5号(1992年10月発行)
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
43巻4号(1992年8月発行)
特集 細胞機能とリン酸化
43巻3号(1992年6月発行)
特集 血管新生
43巻2号(1992年4月発行)
特集 大脳皮質発達の化学的側面
43巻1号(1992年2月発行)
特集 意識と脳
42巻6号(1991年12月発行)
特集 細胞活動の日周リズム
42巻5号(1991年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
42巻4号(1991年8月発行)
特集 開口分泌の細胞内過程
42巻3号(1991年6月発行)
特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
42巻2号(1991年4月発行)
特集 脳の移植と再生
42巻1号(1991年2月発行)
特集 脳と免疫
41巻6号(1990年12月発行)
特集 注目の実験モデル動物
41巻5号(1990年10月発行)
特集 LTPとLTD:その分子機構
41巻4号(1990年8月発行)
特集 New proteins
41巻3号(1990年6月発行)
特集 シナプスの形成と動態
41巻2号(1990年4月発行)
特集 細胞接着
41巻1号(1990年2月発行)
特集 発がんのメカニズム/最近の知見
40巻6号(1989年12月発行)
特集 ギャップ結合
40巻5号(1989年10月発行)
特集 核内蛋白質
40巻4号(1989年8月発行)
特集 研究室で役に立つ新しい試薬
40巻3号(1989年6月発行)
特集 細胞骨格異常
40巻2号(1989年4月発行)
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
40巻1号(1989年2月発行)
特集 分子進化
39巻6号(1988年12月発行)
特集 細胞内における蛋白質局在化機構
39巻5号(1988年10月発行)
特集 細胞測定法マニュアル
39巻4号(1988年8月発行)
特集 細胞外マトリックス
39巻3号(1988年6月発行)
特集 肺の微細構造と機能
39巻2号(1988年4月発行)
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
39巻1号(1988年2月発行)
特集 遺伝子疾患解析の発展
38巻6号(1987年12月発行)
-チャンネルの最近の動向
38巻5号(1987年10月発行)
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
38巻4号(1987年8月発行)
特集 視覚初期過程の分子機構
38巻3号(1987年6月発行)
特集 人間の脳
38巻2号(1987年4月発行)
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
38巻1号(1987年2月発行)
特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
37巻6号(1986年12月発行)
特集 神経活性物質受容体と情報伝達
37巻5号(1986年10月発行)
特集 中間径フィラメント
37巻4号(1986年8月発行)
特集 細胞生物学実験マニュアル
37巻3号(1986年6月発行)
特集 脳の化学的トポグラフィー
37巻2号(1986年4月発行)
特集 血小板凝集
37巻1号(1986年2月発行)
特集 脳のモデル
36巻6号(1985年12月発行)
特集 脂肪組織
36巻5号(1985年10月発行)
特集 細胞分裂をめぐって
36巻4号(1985年8月発行)
特集 神経科学実験マニュアル
36巻3号(1985年6月発行)
特集 血管内皮細胞と微小循環
36巻2号(1985年4月発行)
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
36巻1号(1985年2月発行)
特集 Transmembrane Control
35巻6号(1984年12月発行)
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
35巻5号(1984年10月発行)
特集 中枢神経系の再構築
35巻4号(1984年8月発行)
特集 ゲノムの構造
35巻3号(1984年6月発行)
特集 神経科学の仮説
35巻2号(1984年4月発行)
特集 哺乳類の初期発生
35巻1号(1984年2月発行)
特集 細胞生物学の現状と展望
34巻6号(1983年12月発行)
特集 蛋白質の代謝回転
34巻5号(1983年10月発行)
特集 受容・応答の膜分子論
34巻4号(1983年8月発行)
特集 コンピュータによる生物現象の再構成
34巻3号(1983年6月発行)
特集 細胞の極性
34巻2号(1983年4月発行)
特集 モノアミン系
34巻1号(1983年2月発行)
特集 腸管の吸収機構
33巻6号(1982年12月発行)
特集 低栄養と生体機能
33巻5号(1982年10月発行)
特集 成長因子
33巻4号(1982年8月発行)
特集 リン酸化
33巻3号(1982年6月発行)
特集 神経発生の基礎
33巻2号(1982年4月発行)
特集 細胞の寿命と老化
33巻1号(1982年2月発行)
特集 細胞核
32巻6号(1981年12月発行)
特集 筋小胞体研究の進歩
32巻5号(1981年10月発行)
特集 ペプチド作働性シナプス
32巻4号(1981年8月発行)
特集 膜の転送
32巻3号(1981年6月発行)
特集 リポプロテイン
32巻2号(1981年4月発行)
特集 チャネルの概念と実体
32巻1号(1981年2月発行)
特集 細胞骨格
31巻6号(1980年12月発行)
特集 大脳の機能局在
31巻5号(1980年10月発行)
特集 カルシウムイオン受容タンパク
31巻4号(1980年8月発行)
特集 化学浸透共役仮説
31巻3号(1980年6月発行)
特集 赤血球膜の分子構築
31巻2号(1980年4月発行)
特集 免疫系の情報識別
31巻1号(1980年2月発行)
特集 ゴルジ装置
30巻6号(1979年12月発行)
特集 細胞間コミニケーション
30巻5号(1979年10月発行)
特集 In vitro運動系
30巻4号(1979年8月発行)
輸送系の調節
30巻3号(1979年6月発行)
特集 網膜の構造と機能
30巻2号(1979年4月発行)
特集 神経伝達物質の同定
30巻1号(1979年2月発行)
特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
29巻6号(1978年12月発行)
特集 最近の神経科学から
29巻5号(1978年10月発行)
特集 下垂体:前葉
29巻4号(1978年8月発行)
特集 中枢のペプチド
29巻3号(1978年6月発行)
特集 心臓のリズム発生
29巻2号(1978年4月発行)
特集 腎機能
29巻1号(1978年2月発行)
特集 膜脂質の再検討
28巻6号(1977年12月発行)
特集 青斑核
28巻5号(1977年10月発行)
特集 小胞体
28巻4号(1977年8月発行)
特集 微小管の構造と機能
28巻3号(1977年6月発行)
特集 神経回路網と脳機能
28巻2号(1977年4月発行)
特集 生体の修復
28巻1号(1977年2月発行)
特集 生体の科学の現状と動向
27巻6号(1976年12月発行)
特集 松果体
27巻5号(1976年10月発行)
特集 遺伝マウス・ラット
27巻4号(1976年8月発行)
特集 形質発現における制御
27巻3号(1976年6月発行)
特集 生体と化学的環境
27巻2号(1976年4月発行)
特集 分泌腺
27巻1号(1976年2月発行)
特集 光受容
26巻6号(1975年12月発行)
特集 自律神経と平滑筋の再検討
26巻5号(1975年10月発行)
特集 脳のプログラミング
26巻4号(1975年8月発行)
特集 受精機構をめぐつて
26巻3号(1975年6月発行)
特集 細胞表面と免疫
26巻2号(1975年4月発行)
特集 感覚有毛細胞
26巻1号(1975年2月発行)
特集 体内のセンサー
25巻5号(1974年12月発行)
特集 生体膜—その基本的課題
25巻4号(1974年8月発行)
特集 伝達物質と受容物質
25巻3号(1974年6月発行)
特集 脳の高次機能へのアプローチ
25巻2号(1974年4月発行)
特集 筋細胞の分化
25巻1号(1974年2月発行)
特集 生体の科学 展望と夢
24巻6号(1973年12月発行)
24巻5号(1973年10月発行)
24巻4号(1973年8月発行)
24巻3号(1973年6月発行)
24巻2号(1973年4月発行)
24巻1号(1973年2月発行)
23巻6号(1972年12月発行)
23巻5号(1972年10月発行)
23巻4号(1972年8月発行)
23巻3号(1972年6月発行)
23巻2号(1972年4月発行)
23巻1号(1972年2月発行)
22巻6号(1971年12月発行)
22巻5号(1971年10月発行)
22巻4号(1971年8月発行)
22巻3号(1971年6月発行)
22巻2号(1971年4月発行)
22巻1号(1971年2月発行)
21巻7号(1970年12月発行)
21巻6号(1970年10月発行)
21巻4号(1970年8月発行)
特集 代謝と機能
21巻5号(1970年8月発行)
21巻3号(1970年6月発行)
21巻2号(1970年4月発行)
21巻1号(1970年2月発行)
20巻6号(1969年12月発行)
20巻5号(1969年10月発行)
20巻4号(1969年8月発行)
20巻3号(1969年6月発行)
20巻2号(1969年4月発行)
20巻1号(1969年2月発行)
19巻6号(1968年12月発行)
19巻5号(1968年10月発行)
19巻4号(1968年8月発行)
19巻3号(1968年6月発行)
19巻2号(1968年4月発行)
19巻1号(1968年2月発行)
18巻6号(1967年12月発行)
18巻5号(1967年10月発行)
18巻4号(1967年8月発行)
18巻3号(1967年6月発行)
18巻2号(1967年4月発行)
18巻1号(1967年2月発行)
17巻6号(1966年12月発行)
17巻5号(1966年10月発行)
17巻4号(1966年8月発行)
17巻3号(1966年6月発行)
17巻2号(1966年4月発行)
17巻1号(1966年2月発行)
16巻6号(1965年12月発行)
16巻5号(1965年10月発行)
16巻4号(1965年8月発行)
16巻3号(1965年6月発行)
16巻2号(1965年4月発行)
16巻1号(1965年2月発行)
15巻6号(1964年12月発行)
特集 生体膜その3
15巻5号(1964年10月発行)
特集 生体膜その2
15巻4号(1964年8月発行)
特集 生体膜その1
15巻3号(1964年6月発行)
特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム
15巻2号(1964年4月発行)
15巻1号(1964年2月発行)
14巻6号(1963年12月発行)
特集 興奮收縮伝関
14巻5号(1963年10月発行)
14巻4号(1963年8月発行)
14巻3号(1963年6月発行)
14巻1号(1963年2月発行)
特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
14巻2号(1963年2月発行)
13巻6号(1962年12月発行)
13巻5号(1962年10月発行)
特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
13巻4号(1962年8月発行)
13巻3号(1962年6月発行)
13巻2号(1962年4月発行)
Symposium on Permeability of Biological Membranes
13巻1号(1962年2月発行)
12巻6号(1961年12月発行)
12巻5号(1961年10月発行)
12巻4号(1961年8月発行)
12巻3号(1961年6月発行)
12巻2号(1961年4月発行)
12巻1号(1961年2月発行)
11巻6号(1960年12月発行)
Symposium On Active Transport
11巻5号(1960年10月発行)
11巻4号(1960年8月発行)
11巻3号(1960年6月発行)
11巻2号(1960年4月発行)
11巻1号(1960年2月発行)
10巻6号(1959年12月発行)
10巻5号(1959年10月発行)
10巻4号(1959年8月発行)
10巻3号(1959年6月発行)
10巻2号(1959年4月発行)
10巻1号(1959年2月発行)
8巻6号(1957年12月発行)
8巻5号(1957年10月発行)
特集 酵素と生物
8巻4号(1957年8月発行)
8巻3号(1957年6月発行)
8巻2号(1957年4月発行)
8巻1号(1957年2月発行)