文献詳細
増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち
Ⅰ.解剖学・発生学・細胞生物学
文献概要
大野乾博士は1960年代,雌の細胞のバー小体は不活化したX染色体であることを示し,当時の細胞生物学領域で一躍,時の人となった。70年代には遺伝子重複による進化理論で世界を揺るがせた。細胞生物学,免疫学,進化論,生物学のどの分野の人とも議論を好んだ。鋭い洞察と論旨の構成,それは群を抜いていた。米国COH研究所の終身栄誉所員,米国科学アカデミー会員。釣りを好み,馬を愛し,晩年は音楽を楽しまれた。ロサンゼルスのハリウッドの裏山の墓地,フォーレストローンに眠っておられる。
参考文献
1)Ohno S:Sex Choromosomes and Sex-linked Genes, Springer-Verlag, 1967
2)Ohno S:Evolution by Gene Duplication, Springer-Verlag, 1970(日本語版,1977)
.172:28-35,1985
. 93:6792-6795, 1996
5)須藤鎮世,山口陽子,森 望,早川 智(監修):大野乾の世界,羊土社,東京,2003
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