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文献詳細

雑誌文献

生体の科学70巻5号

2019年10月発行

文献概要

増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち Ⅵ.神経科学

松本元(1940-2003)—非線形非平衡システムとしての脳

著者: 合原一幸1

所属機関: 1東京大学生産技術研究所

ページ範囲:P.470 - P.471

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 松本元先生は,世界に先駆けて自ら人工飼育に成功したヤリイカの巨大軸索を用いて,非線形非平衡物理学の観点から,神経興奮(活動電位の生成)現象の動力学構造(外部刺激による平衡構造から散逸構造への状態転移)を解明した。次に,この成果をもとに,海馬の時空間ダイナミクスをリアルタイムオプティカルイメージング法を用いて明らかにすると共に,先端的な脳型コンピューターを開発した。この脳型コンピューターは昨今の人工知能レベルを超え得るポテンシャルを有する大きな構想であった。

参考文献

58:367-368, 2003
2)松本 元:神経興奮の現象と実体(上),丸善,東京,1981
3)日本物理学会編/松本元責任編集:脳・心・コンピュータ,丸善,東京,1996
4)松本 元:愛は脳を活性化する,岩波書店,東京,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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