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文献概要
増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち Ⅶ.臨床医学
川崎富作(1925-)—川崎病発見の奇跡的偉業
著者: 濵岡建城1
所属機関: 1医療法人徳洲会宇治徳洲会病院小児循環器・川崎病センター
ページ範囲:P.472 - P.473
文献購入ページに移動 川崎病は全身の中小血管に炎症が起こり,発熱や発疹,唇や舌が赤く腫れるなどの症状を伴う病気で,乳幼児に好発する。概ね軽症で予後良好であるものの,重症例では発症後に冠動脈に動脈瘤ができやすいことが特徴で,将来に心臓血管障害リスクを持ちこすことになる。頻度的には人口10万当たり約300人(がん全般または心不全の1/3に相当)で,罹患数は年間15,000人ほど。病気の発見から半世紀経た今も原因不明であり,病因解明や効果的な治療法開発の努力が続けられている。
その治療は急性期の解熱を最大目標に試行錯誤が続けられてきたが,現状では免疫グロブリン製剤で8割程度が解熱でき,下がらない場合には同剤の大量投与や血漿交換,生物学的製剤なども使用が認められている。難治例に対しては免疫グロブリンとステロイドの併用が効果とコストの両面から注目されている。
その治療は急性期の解熱を最大目標に試行錯誤が続けられてきたが,現状では免疫グロブリン製剤で8割程度が解熱でき,下がらない場合には同剤の大量投与や血漿交換,生物学的製剤なども使用が認められている。難治例に対しては免疫グロブリンとステロイドの併用が効果とコストの両面から注目されている。
参考文献
.16:178-222,1967
2)細川静雄,原信田実:川崎病は,いま—聞き書き 川崎富作,木魂社,東京,2006
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