文献詳細
増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち
Ⅶ.臨床医学
文献概要
菊池昌弘博士が確立した菊池-藤本病は若年者にみられるリンパ節炎で,結核症,自己免疫疾患や悪性リンパ腫に誤診される病気である。1か月強で寛解する疾患であり,臨床的意義が大きい。病変には,高度なアポトーシスを伴いCD8陽性T細胞と組織球の顕著な反応があり,細胞増殖率が高く悪性リンパ腫との鑑別が難しいリンパ節炎である。菊池博士は,更にWHO分類のなかで成人T細胞白血病/リンパ腫の病理的特徴をまとめ,世界に啓発した。
菊池博士は,1958年九州大学医学部医学科を卒業し,1963年同大学院医学研究科博士課程を終了後,同第二病理学教室,故橋本美智雄教授のもと血液病理学を専攻した。1966年より2年間,文部省在外研究員として西ドイツ・ハノーバ市立病院およびKiel大学で,Karl Lennert博士のもと脾臓の組織形態像の研究をした。帰国後,九州大学の助教授を経て,1973年福岡大学医学部病理学教室の初代教授に就任し,学部長,病院長や副学長を歴任し2007年に退職した。2012年4月に悪性リンパ腫再発で逝去された。
菊池博士は,1958年九州大学医学部医学科を卒業し,1963年同大学院医学研究科博士課程を終了後,同第二病理学教室,故橋本美智雄教授のもと血液病理学を専攻した。1966年より2年間,文部省在外研究員として西ドイツ・ハノーバ市立病院およびKiel大学で,Karl Lennert博士のもと脾臓の組織形態像の研究をした。帰国後,九州大学の助教授を経て,1973年福岡大学医学部病理学教室の初代教授に就任し,学部長,病院長や副学長を歴任し2007年に退職した。2012年4月に悪性リンパ腫再発で逝去された。
参考文献
.35:379-380, 1972
.30:920-927, 1972
. 395:257-271, 1982
. 24:1114-1119, 1993
. 72:322-329, 2004
掲載誌情報