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特集 科学と芸術の接点
芸術作品のなかに時間を見る—感性認識の捉えたもの
著者: 三浦佳世1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.509 - P.512
文献購入ページに移動芸術が技術から分離し,技術が科学と結びつくのは18世紀後半のことであるが,その直前の18世紀半ばに,美学(aesthetics)と訳される学問領域が誕生する。この言葉も,語源は“知覚”を意味する古代ギリシャ語aisthesisである。ドイツの哲学者Baumgartenはこの言葉をもとに,従来の知性や理性に基づく論理学ではなく,感覚や感性に基づく認識論を打ち立てようとした。彼はその後,この感性による認識の完全なる形式が美であると考え,考察の対象を美や芸術に置くようになる2)。
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