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文献詳細

雑誌文献

生体の科学70巻6号

2019年12月発行

文献概要

特集 科学と芸術の接点

芸術作品のなかに時間を見る—感性認識の捉えたもの

著者: 三浦佳世1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.509 - P.512

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 15世紀後半,Leonardo da Vinciは「芸術の科学を学び,科学の芸術を学びなさい。感覚を磨き,ものの見方を身につけなさい」と述べ,芸術と科学の融合を説き,“見方”の重要性を指摘した1)
 芸術が技術から分離し,技術が科学と結びつくのは18世紀後半のことであるが,その直前の18世紀半ばに,美学(aesthetics)と訳される学問領域が誕生する。この言葉も,語源は“知覚”を意味する古代ギリシャ語aisthesisである。ドイツの哲学者Baumgartenはこの言葉をもとに,従来の知性や理性に基づく論理学ではなく,感覚や感性に基づく認識論を打ち立てようとした。彼はその後,この感性による認識の完全なる形式が美であると考え,考察の対象を美や芸術に置くようになる2)

参考文献

1)Isaacson W:Leonardo da Vinci, Simon & Schuster, New York, 2017;土方奈美(訳):レオナルド・ダ・ビンチ,文芸春秋,東京,2019
2)三浦佳世:感性認知-アイステーシスの心理学,北大路書房,京都,2016
.17:121-126, 1999
.35:316-321, 2011
5)古村倫太郎:平成14年度九州大学文学部卒業論文
6)Humphery N:Seeing Red:A study in consciousness. Harvard University Press, Cambridge, Massachusetts, 2006
7)Gibson JJ:The ecological approach to visual perception. Houghton Mifflin Company, Boston, Massachusetts, 1979
. 20:545-560, 2007
. 400:65-69, 1999
. 223:311-319, 2012
11)紺屋遥輝:平成27年度九州大学文学部卒業論文
.36:2-22, 2014
13)木村 敏:自己・あいだ・時間-現象学的精神病理学,筑摩書房,東京,2006
.116:7-10, 2016
15)三浦佳世:視覚心理学が明かす名画の秘密,岩波書店,東京,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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