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実験講座
転写動態のライブイメージング解析
著者: 深谷雄志1
所属機関: 1東京大学定量生命科学研究所生命動態研究センター遺伝子発現ダイナミクス研究分野
ページ範囲:P.562 - P.567
文献購入ページに移動 近年の網羅的解析技術の飛躍的発展により,転写因子結合部位やヒストン修飾,クロマチンアクセシビリティーなどに関する俯瞰的知見が急速に蓄積しつつある。しかし従来のバルク解析では,必ずしも均一ではない細胞集団全体において平均化された振る舞いを検出していたため,個々の細胞における遺伝子発現動態を詳細に解析することは技術的に困難であった。従来の制約を克服する手法として近年,single-cell RNA-seq解析に代表される新たな解析技術が急速に普及し始めているが,一方で破砕した細胞からのRNA抽出を必要とするため,単一細胞における遺伝子発現の経時的変化を検出することは不可能であった。最近,こうした手法的限界を突破する実験方法として,ライブイメージングによる転写活性のリアルタイム計測が大きな注目を集めている。本稿では,モデル生物であるショウジョウバエを用いた最新のライブイメージング技術を例に挙げ,実験系の設計および最適化において注意すべき点について議論する。
参考文献
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