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特集 睡眠の制御と機能
概日時計と睡眠
著者: 三枝理博1
所属機関: 1金沢大学医薬保健研究域医学系統合神経生理学
ページ範囲:P.18 - P.22
文献購入ページに移動 われわれは毎日,朝起きて昼間に活動し夜は寝る,という24時間サイクルの生活をしている。睡眠覚醒だけでなく,体内の様々な生体機能が同様の日内変動を示す。これらは,約24時間周期の概日(サーカディアン)リズムを自律的に発振し全身に時刻情報を発信する,体内時計(生物時計,概日時計)によって制御される。時差ぼけは,急にシフトした昼夜サイクルに概日時計をすぐに合わせられないことから生じる。一方で,睡眠覚醒リズムは概日時計に加え,ホメオスタシスの機構によっても支配される。ヒトではこの2つのメカニズムが絶妙のタイミングで組み合わさり,昼は起き続け夜は寝続けるパターンが生み出されている[Bolbery(ボルベイ)のツープロセスモデル]。本稿では,まず,中枢概日時計による睡眠覚醒の調節機構を紹介し,続いて時計遺伝子と概日リズム睡眠障害,最後に中枢概日時計の神経メカニズムについて概説する。
参考文献
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