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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻1号

2020年02月発行

文献概要

解説

胎生期心内膜における造血機能の発見とその意義

著者: 重田文子12 中野治子1 中野敦1

所属機関: 1 2千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学

ページ範囲:P.74 - P.79

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 主に骨髄で行われる成体の造血と異なり,胎生期には,卵黄囊や大動脈など複数の器官が造血機能を有している。この事実はよく知られているが,なぜ造血が複数の器官で起こる必要があるのか(あるいは理由などないのか)は古くからの謎であった。近年筆者らは,胚発生期の一時的に,心内膜も血球細胞産生機能を持つことを発見し1),心臓で起こる造血の大半を占めるマクロファージは,心臓弁の成熟に必須な細胞集団であることを明らかにした2)。これは,胎生期の一時的局所的な造血機能が,その局所組織の形態形成を担うマクロファージの産生に重要であることを証明した初めての報告である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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