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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻2号

2020年04月発行

文献概要

特集 ビッグデータ時代のゲノム医学 Ⅰ.ゲノム医学の進歩

エピゲノム解析

著者: 鈴木絢子1 鹿島幸恵1 関真秀1 鈴木穣1

所属機関: 1東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻

ページ範囲:P.102 - P.107

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 ビッグデータ時代の到来には,大規模シークエンス解析技術の急速な発展が一つの大きな要因となっている。ゲノム配列をはじめとした網羅的なオミクスデータを安価かつ簡便に取得可能となり,細胞のありとあらゆる分子情報はシークエンス技術を駆使して計測され,そのデータは大量に蓄積されつつある。
 塩基配列によらずにクロマチン状態を規定する情報はエピゲノムと呼ばれ,遺伝子発現のコントロールに重要である。エピゲノム状態の違いによって,同じゲノム配列を有するにもかかわらず様々な種類の細胞が作り出されることとなる。ゲノム変異と同様にエピゲノムの異常も疾患の原因となり得る。正常および疾患組織のエピゲノム状態を網羅的に解析することによって,これまでゲノム配列の変化だけでは説明がつかなかった疾患に対して,その発症メカニズムの解明および治療標的の同定につながる可能性が示唆されている。本稿では,主にヒト細胞のエピゲノムに着目し,主なシークエンス解析技術,疾患とのかかわり,新規解析手法を概説する。

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1)牛島俊和,眞貝洋一,塩見春彦編:実験医学別冊 エピジェネティクス実験スタンダード—もう悩まない! ゲノム機能制御の読み解き方,羊土社,東京,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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