文献詳細
特集 ビッグデータ時代のゲノム医学
Ⅵ.胎児期・周産期疾患のゲノム医学
文献概要
ここ数年の胎児の出生前診断の大きな変化は,“超音波検査”と“母体血中細胞フリー胎児DNAを用いた新しい無侵襲的出生前遺伝学的検査(non-invasive prenatal testing;NIPT)”によりもたらされた。妊娠10-13週ごろに実施される超音波検査では,胎児の頸部浮腫(nuchal translucency;NT),静脈管血流量,三尖弁逆流,鼻骨低形成などを調べることで,胎児が21トリソミーや他の染色体異数性に罹患しているリスクを調べることができる。また,同様の目的では,超音波検査と母体血清マーカー検査(inhibin-Aとpregnancy associated plasma protein;PAPP)を組み合わせた複合検査(combined test)も実施されている。超音波検査は特定の妊娠週数に限らず実施されていることから,偶発的に見つかる先天性の胎児異常には,単一遺伝子疾患のこともあるが,超音波検査のみでは確定診断は困難である。そのような場合には遺伝学的検査が必要になる。
参考文献
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掲載誌情報