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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻3号

2020年06月発行

文献概要

特集 スポーツ科学—2020オリンピック・パラリンピックによせて

アスリートのための低酸素トレーニング

著者: 山本正嘉1

所属機関: 1鹿屋体育大学スポーツ生命科学系

ページ範囲:P.200 - P.205

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 各国のアスリートが高所トレーニングに取り組み始めたのは,1回目の東京五輪が行われた1960年代前半のことである。当時の日本では,朝比奈(東邦大学)と猪飼(東京大学)がプロジェクトリーダーとなり,科学的なサポートが展開された。ちなみに日本のスポーツに科学が本格的に導入されたのも,これがきっかけであった。以来,高所トレーニングについて膨大な実践や研究が行われてきたが,海外の動向はWilber1),国内のそれは浅野と小林2)が編纂した成書で概観できる。
 低酸素環境下で行うトレーニングを総称して高所トレーニングと呼んでいるが,2種類の形態がある。自然の高地を利用する高地トレーニングと,低酸素室あるいは低酸素吸入器など人工的な手段を用いる低酸素トレーニングである。本稿では後者を中心に紹介する。なお筆者ら3-6)は20年間にわたり,アスリート向けの低酸素トレーニングについて実践と研究を行ってきたので,その知見についても紹介する。

参考文献

1)Wilber RL:川原 貴,鈴木康弘監訳:高地トレーニングと競技パフォーマンス,講談社,東京,2008
2)浅野勝己・小林寛道 編著:高所トレーニングの科学,杏林書院,東京,2004.
.12:61-68, 2000
.21:31-37, 2004
.21:339-356, 2009
.62:711-717, 2012
7)藤原咲平:気象と人生,岩波書店,東京,1935
. 3:205-221, 2002
.15:187-196, 2004
.28:145-152, 2008
.2:259-270, 2010
.24:203-215, 2012
13)Hellemans J:低酸素と健康.第8回高所トレーニング国際シンポジウム東京(総集編),pp33-40,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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