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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻3号

2020年06月発行

文献概要

特集 スポーツ科学—2020オリンピック・パラリンピックによせて

卓球の競技力向上のための科学サポート

著者: 稲葉優希1 城所収二2 松本実1 尾崎宏樹1 山田耕司3 吉田和人34

所属機関: 1国立スポーツ科学センタースポーツ科学部 2国立スポーツ科学センタースポーツ研究部 3日本卓球協会 4静岡大学学術院教育学領域

ページ範囲:P.216 - P.220

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 元世界チャンピオンであり,国際卓球連盟会長も務めた“ピンポン外交”でも著名な荻村伊智朗氏は,卓球を「100mを走りながらチェスをするようなもの」と表現したとされる。実際に,トップ選手の練習や試合,研究データをみると,卓球選手が有している技術や体力,そしてプレーをしながら次の展開を予測し,戦略を練る能力には驚かされる。そのためわれわれ科学者が,目の前の,既に高いパフォーマンスを発揮しているトップ選手の課題を見つけ,解決のための取り組みを提案することは容易ではない。卓球だけでなく多くのスポーツにも当てはまるであろうが,パフォーマンスに影響する要因が多数存在するなかで,現状の課題を見つけ,その課題に対する適切な解決策を見いだしていかなければならないからである。ここでは,国立スポーツ科学センター(Japan Institute of Sports Sciences;JISS)が日本卓球協会のスタッフと協力しながら,競技現場のコーチやスタッフらと議論するなかで,パフォーマンス向上における課題の一つであると定義した内容に関して,研究や開発を行ってきた例を紹介していく。“Ⅰ.”ではトップ選手のボールの威力について検証した例を,“Ⅱ.”では威力のある打球を可能にするための体力や技術について,“Ⅲ.”では戦術を立てるうえで実施される試合分析を効率的に行うために実施した研究開発の例を紹介する。

参考文献

.59:227-236, 2014
.22:152-166, 2019
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.68:155, 2017
. 36:834-842, 2018
.64:169-185, 2019
7)Chaudhury S, Kimura D, Vinayavekhin P et al:2019 IEEE International Symposium on Multimedia(ISM), pp9-97, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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