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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻3号

2020年06月発行

特集 スポーツ科学—2020オリンピック・パラリンピックによせて

女性アスリートの科学サポート

著者: 中村真理子1

所属機関: 1国立スポーツ科学センタースポーツ科学部

ページ範囲:P.255 - P.259

文献概要

 1990年代において女性アスリートの競技成績は大きく向上し,レースタイムを競う種目においていずれ女性が男性の記録を追い抜く可能性もあることが示唆されたが1),2000年代に入り,エリートアスリートにおける競技成績の男女差は8-12%で安定している2)。一方で,女性アスリートの競技参加は増加傾向にあり,夏季オリンピック参加率はリオデジャネイロ2016オリンピックにおいて過去最高の46%(図1)3),パラリンピックにおいても39%まで増加している。こうした女性の競技参加の増加に加え,トレーニングの高度化にも伴い女性アスリート固有の健康上の問題が発生している。先行研究をみても男性に比べ女性を対象とした研究は39%と少ない状況にあり4),運動トレーニングに対する生理学的応答など男性に比べて明らかになっていない部分も多いが,男性と女性のからだの機能の違いを考慮した女性アスリートのためのコンディショニングやサポートの必要性が高まっている。
 そこで本稿では,女性アスリートに多くみられる健康上の問題やその対策方法ならびにサポート体制の現状について概説する。

参考文献

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28)目崎 登:女性スポーツの医学,文光堂,東京,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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