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特集 細胞機能の構造生物学 Ⅰ.細胞骨格の構造生物学
微小管結合タンパク質
著者: 吉川知志1 仁田英里子1 今崎剛1 仁田亮1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科生理学・細胞生物学講座生体構造解剖学分野
ページ範囲:P.298 - P.303
文献購入ページに移動微小管は極めて動的な細胞骨格で,常に重合と脱重合を繰り返すことにより細胞形態の維持や変化を担い運動を制御するのみならず,細胞分裂や細胞内物質輸送においても極めて重要な役割を果たす。この微小管の重合と脱重合のバランスは多種多様なタンパク質により制御されており,なかでも微小管に直接結合するタンパク質群は微小管結合タンパク質(microtubule associated proteins;MAPs)と呼ばれる1)。MAPsは微小管への結合特性などから幾つかのグループに分類され,代表的なものは古典的(構造的)MAPs,分子モーター,プラス端結合タンパク質(+TIPs),マイナス端結合タンパク質(-TIPs)の4種類である(図1)。本稿ではこれらについて,筆者らの最近の成果を中心に概説したい。
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