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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻4号

2020年08月発行

文献概要

特集 細胞機能の構造生物学 Ⅱ.細胞膜

胃の酸性化の分子メカニズム

著者: 阿部一啓12

所属機関: 1名古屋大学細胞生理学研究センター 2名古屋大学大学院創薬科学研究科

ページ範囲:P.310 - P.314

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 食物消化時の胃の中は強い酸性である(pH 1)。細胞内溶液が中性(pH 7)であることを考慮すると,この状況は実に100万倍のH濃度勾配に相当する。これは胃プロトンポンプが“酸”の実体であるHを能動輸送することで作り出されている。ヒトの遺伝子にはカチオン輸送体が数多くコードされているが,われわれの体には,胃のほかにこれほど酸性度の高い,もしくは急峻なカチオンの濃度勾配を持った組織は存在しない。胃プロトンポンプは,どのようにして強い酸性溶液を作り出しているのであろうか? 胃プロトンポンプの複数の結晶構造によってそのしくみが明らかになってきた1)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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