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特集 細胞機能の構造生物学 Ⅱ.細胞膜
クライオ電子顕微鏡が加速するギャップ結合の構造研究
著者: 大嶋篤典12
所属機関: 1名古屋大学細胞生理学研究センター 2名古屋大学大学院創薬科学研究科
ページ範囲:P.315 - P.320
文献購入ページに移動ギャップ結合タンパク質には2つの遺伝子ファミリーが知られ,脊索動物ではコネキシン(connexin;Cx)が,無脊椎動物ではイネキシン(innexin;INX)がギャップ結合チャネルを形成する。これらの間にアミノ酸配列の類似性は認められないが,いずれも4回膜貫通型の膜タンパク質で,ヘミチャネルと呼ばれる導管型の構造が隣接細胞の間で向かい合って結合する,という特徴は共通している。ギャップ結合チャネルの構造研究は,X線や電子線を用いた結晶構造解析の研究報告がなされていたが4-9),近年クライオ電子顕微鏡による単粒子解析の高分解能構造が報告されるようになった10-12)。本稿では,クライオ電子顕微鏡を中心にして行われている最新のギャップ結合チャネルの構造研究から示唆される開閉メカニズムについての知見を紹介する。
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