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特集 細胞機能の構造生物学 Ⅱ.細胞膜
クライオ電子顕微鏡によって明らかになったP4-ATPaseフリッパーゼの脂質輸送
著者: 西澤知宏1
所属機関: 1東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻生物化学講座構造生命科学研究室
ページ範囲:P.327 - P.332
文献購入ページに移動 細胞を覆う脂質二重膜は,その2つの層の間で非対称な脂質分布を示す。真核生物では,ホスファチジルセリン(PS)が通常細胞質側に偏っており,死細胞ではこの非対称性が崩れて細胞外側に露出したPSがファゴサイトによって“eat me”シグナルとして認識され,貪食される。平常時の細胞において,このPSの非対称性を作り出しているのがP4-ATPaseと呼ばれるフリッパーゼである。筆者らのグループは,最近クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子構造解析によってP4-ATPaseの脂質輸送サイクル中の複数中間体の構造を明らかにして,その独自の輸送機構を解明するに至った。本稿ではこれを紹介したい。
参考文献
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