文献詳細
増大特集 難病研究の進歩
Ⅰ.神経・筋
文献概要
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,運動ニューロンの系統変性によって全身の随意運動筋群の筋萎縮と筋力低下を来す予後不良の神経変性疾患である。家族性ALSの原因遺伝子や孤発性ALSの病原タンパク質TDP-43の発見など,ALS病態を知るうえで重要な鍵分子が出揃い,これらの解析によって判明した多彩なパスウェイはRNA恒常性維持機能,タンパク質品質管理機構の破綻という2つの病態に収斂する。さらに“脳内環境”の破壊に加え,近年全身の慢性炎症がALSの進行に関わることも明らかとなり,全身疾患としての側面も徐々に解明されつつある。
参考文献
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掲載誌情報