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増大特集 難病研究の進歩 Ⅰ.神経・筋
脊髄性筋萎縮症
著者: 齋藤加代子1
所属機関: 1東京女子医科大学遺伝子医療センターゲノム診療科
ページ範囲:P.380 - P.381
文献購入ページに移動 脊髄性筋萎縮症の患者において,機能性の全長SMNタンパク質はSMN2 遺伝子が産生するわずかなものだけである。新たな治療として,エクソンインクルージョンを機序とする核酸医薬品ヌシネルセン(スピンラザ®)が製造販売承認を取得した。治療に加えて発症予防の可能性が広がり,大きなブレークスルーとなった。2020年5月には,米国に続きわが国でも国際共同治験の成果により,AAV9ベクターによるSMN 遺伝子(ゾルゲンスマ®)の静脈内投与が保険収載された。更に,低分子医薬品リスディプラムの国際共同治験が進行している。症状固定前,更には発症前の投与により症状の発現を抑え,軽減化,無症状化することが可能となった。
参考文献
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