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増大特集 難病研究の進歩 Ⅰ.神経・筋
慢性炎症性脱髄性多発神経炎・多巣性運動ニューロパチー
著者: 宮本勝一1
所属機関: 1近畿大学医学部脳神経内科
ページ範囲:P.402 - P.403
文献購入ページに移動 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は筋力低下や感覚障害で発症し,2か月以上にわたって慢性進行性に経過する免疫性ニューロパチーである。多巣性運動ニューロパチー(MMN)はCIDPに類似するが,純運動性障害であり,筋萎縮を伴うことなどが異なる。CIDPとMMNは,優位に傷害される分布によって分類されるが,治療反応性が異なることから背景にある病態は一様ではないと考えられる。一部のCIDPでは,neurofascin 155,contactin-1,caspr-1,LM1などの自己抗体が検出され,臨床的特徴や治療反応性が類似した一群となっている。治療で最も用いられる免疫グロブリン大量静注療法は,近年維持療法が保険適用され,更にCIDPでは皮下注射による維持療法も承認された。
参考文献
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