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増大特集 難病研究の進歩 Ⅰ.神経・筋
多系統萎縮症
著者: 小澤鉄太郎1
所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター神経内科
ページ範囲:P.406 - P.407
文献購入ページに移動 多系統萎縮症は,成人発症で比較的進行が速い神経変性疾患であり,患者のほとんどは孤発例である。中枢神経系における主要な病変部位は,オリーブ橋小脳,線条体黒質,更に脊髄中間質外側核を含む自律神経領域である。それらの領域での神経細胞脱落とグリオーシス,ならびにリン酸化αシヌクレイン陽性のオリゴデンドログリア細胞質内封入体を病理学的に認めれば確定診断となる。注目される分子病態は,中枢神経系におけるαシヌクレインの構造変化と凝集であり,それを基盤とした診断バイオマーカーの探索と疾患修飾療法の開発が課題である。
参考文献
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