文献詳細
増大特集 難病研究の進歩
Ⅰ.神経・筋
文献概要
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration;SCD)は運動失調を主とする神経変性疾患であり,遺伝性が約30%,孤発性が約70%である。わが国においては遺伝性SCDの90%以上が常染色体優性遺伝形式を示し,3から6塩基のDNA配列の繰り返しであるマイクロサテライト・リピートの異常伸長を遺伝子変異とする病型が最も多い。リピート伸長変異は各遺伝子の翻訳領域または非翻訳領域に存在する病型に大別され,RNA(転写物)レベルもしくはタンパク質レベルの病態や,翻訳領域・非翻訳領域いずれのリピート伸長病にも共通するRAN translationと呼ばれる新たな分子機構の存在が示唆されている。
参考文献
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掲載誌情報