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増大特集 難病研究の進歩 Ⅰ.神経・筋
亜急性硬化性全脳炎
著者: 野村恵子1
所属機関: 1熊本大学病院小児科
ページ範囲:P.418 - P.419
文献購入ページに移動 亜急性硬化性全脳炎は麻疹ウイルスの変異による遅発性ウイルス感染症であり,精神・運動発達の両面で退行を来し,やがて死に至る予後不良な疾患である。初発症状には発達障害にみられるような高次脳機能障害もあるため鑑別が重要であるが,髄液中麻疹抗体価の上昇などで診断がつく。現在,試験的に行われている治療としてリバビリンの髄注がある。倫理委員会の承認が必要で,十分な治療濃度を維持できた症例では症状の改善がみられている。
参考文献
1)プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班:SSPE診療ガイドライン2020
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