文献詳細
増大特集 難病研究の進歩
Ⅰ.神経・筋
文献概要
進行性多巣性白質脳症(PML)は,ポリオーマウイルス科のJCウイルス(JCV)に起因する中枢神経脱髄疾患である。多くのヒトは,アーキタイプ(原型)と呼ばれるJCVに無症候性に感染し,体内で持続感染および潜伏感染が成立する。しかし,T細胞系の免疫能の低下を背景としてJCVが再活性化し,大脳白質などのオリゴデンドロサイトでプロトタイプ(変異型)JCVが増殖することでPMLを生じる。本稿ではPMLの概要,原因,病態および創薬について概説する。
参考文献
1)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班:進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)診療ガイドライン 2020,http://prion.umin.jp/guideline/guideline_PML_2020.pdf
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掲載誌情報